「『なんでそれなん?』ってずっと言われ続けた」引退車両の購入に異論の声も

 ところで、なぜキハ40を導入することになったのでしょうか。北条鉄道の坂江大宗さんに聞きました。

 (北条鉄道 坂江大宗さん)
 「中古の車両がほしいというのがきっかけで、鉄道会社にいろいろ連絡を入れた。その中で、JR東日本さんから『秋田県を走っていたキハ40でよければお渡しできますよ』と回答をいただいた」

 新車であれば2億円ほどかかるところ、キハ40の購入費用は300万円程度。とはいえ、引退車両を購入することに社内でも異論の声がありました。それでも坂江さんは「勝機がある」と約1年、説得を続けたといいます。

 (北条鉄道 坂江大宗さん)
 「最終的には『うん』って言ってもらえましたけど、最後の最後まで疑問を持たれ続けたというか、『なんでそれなん?』ってずっと言われ続けたので。自分も鉄道が好きなほうなので、キハ40が北条鉄道を走ったら話題性が出てお客さんも集まるやろうなというのがありました」
 坂江さんの予想は見事的中。導入資金をクラウドファンディングで募ったところ、わずか1か月で想定をはるかに超える1300万円あまりが集まる注目ぶりでした。