妊婦が医療機関のみに身元を明かして出産する、いわゆる「内密出産」をめぐり、熊本市の大西市長が子どもの出自を知る権利を保障することなど、新たな法整備を検討するよう三原こども政策担当大臣に求めました。

「こうのとりのゆりかご」という名称でいわゆる赤ちゃんポストを運営している熊本市の慈恵病院は、「内密出産」を国内で初めて導入しましたが、母親や生まれた子に対する行政の支援や、子どもの「自分の出自を知る権利」への対応が課題となってきました。

熊本市 大西一史 市長
「日本でもですねこういったものを法制化することによって、最後の砦であるですね、やはりこのゆりかごであったり、それから内密出産制度というものがある程度、安定的なものになっていくというふうに私自身は感じています」

熊本市の大西市長がきょう、三原こども政策担当大臣に手渡した要望書には、▼「内密出産」の制度化に向け、子どもの出自を知る権利を保障するための法整備の検討や、▼予期せぬ妊娠・出産で悩む人たちに24時間365日対応する相談窓口の設置などが盛り込まれています。

大西市長によると、三原大臣は「出自を知る権利の保障も含めた法制化・法整備はなかなか難しい課題がたくさんある」との認識を示した上で、「海外の事例をよく研究をしていきたい」と話したということです。

大西市長は「問題意識を非常に強く、こども家庭庁としても大臣としても持っていただいている」と話し、政府の動きに期待を寄せています。