保険適用で“分べん中止検討”の施設が半数以上に…

TBS報道局 社会部 岡村記者:
政府はすでに、2023年の段階で保険適用の導入を含めて出産に関する支援を強化することを閣議決定しています。保険適用により全国一律の料金を決めることで、出産費用の上昇に歯止めをかけたいといった思いがありました。

しかし、保険適用には慎重な意見も多くあります。

分べんを扱う診療所の4割が赤字経営という状況もあり、保険適用により自由に費用を設定することができなくなると、さらに経営が悪化するという懸念もあります。

日本産婦人科医会の調査によると、保険適用となった場合には、分べんの取り扱いをやめるという施設が4.9%、制度の内容によっては中止を考えるという施設が53.5%と半分を超えています。

「松田母子クリニック」の松田秀雄院長によると、「値上げが出来なくなると、今のような質の高いケアが維持できなくなる可能性がある」と保険適用には慎重な立場をとっています。

また厚労省幹部からは、「地方の産院が立ち行かなくなる。普通の医療と全く同じにするのは現実的には難しい」といった声も聞かれています。

井上キャスター:
出産対応は24時間体制にもなりますからね。

TBS報道局 社会部 岡村記者:
分べん数が減少しても、人件費を減らすことはできないという状況もあります。