“主戦場”は県内……ではなく「SNS」

「広島を宣伝しすぎない」という、ひろくまの特徴が表れているのは、5万人のフォロワーを抱えるSNS「X」での投稿です。

連日投稿されるのは、広島県のPR……ではなく、ひろくまや仲間たちが送る日常の様子。眠たそうに歯磨きをしたり、真夜中のピザを嬉しそうに食べたり、お風呂に入らずスマホをのぞき込んだり。どこか人間らしさも。ここに、ひろくまが「バズる」ポイントがあるといいます。

島村ビギさん
「キャラクターに限らず、SNSでみんなが発信したくなるものやシェアしたくなるものは、“自分語り”や“自分ごと”につながるものだと思っています。つまり『わかるなあ』『これ好きだなあ』『何かこれ知ってるなあ』って思うこと。そういった“共感できる要素”っていうのは、キャラクターを育てていくうえですごく大事」

広島を好きになってもらう前に、まず“キャラクターとして”の「ひろくま」を好きになってもらえるように工夫していると話す島村さん。しかしもちろん、ひろくまの使命は、ただ人気者になることだけではありません。よくよく投稿を見てみると?

島村ビギさん
「しれっ……と、広島の要素を入れるようにしています。よくよく見たら、投稿する画像のなかに、広島にまつわる“何か”が映っている」

たとえば、ひろくまがラーメンを食べている画像。夜に食べるラーメンっておいしいよね!と思わず共感してしまうところですが、よくよく見ると看板には「尾道」の文字が。

島村ビギさん
「ひろくまが美味しそうにラーメンを食べる様子を見て『あ、尾道ラーメン。確かにちょっと食べてみたいかも』みたいな気持ちになる、だとか。そういった“行動につながる”ような気持ちを起こせたらいいなと思って、やっています。そしていずれは、ひろくまに会いに、広島を感じに現地に来てくれたらと」