コメ高騰で食文化にも変化?「和食」→「洋食」へ

藤森祥平キャスター:
コメ農家の井狩さんの「農家暗黒時代」というお話を聞けば聞くほど、生産者の皆さんのご苦労があってこそ私たちの食卓のお米なのだと改めて感じました。

コメ高騰の影響もあり、東京商工リサーチによるとパン屋の倒産件数が2025年1~4月が「7件」、2024年の同時期の「13件」から半減していて、「家計防衛のためパン需要が盛り返した可能性もある」としています。

小川彩佳キャスター:
業界構造にも変化が生まれ始めています。
トラウデンさんはコメ派ですか?パン派ですか?

トラウデン直美さん:
どっちも好きですが、毎日必ず食べるのはやっぱりお米です。お米はないと困りますし、小麦を生産する農家さんが増えているとはいえ、小麦の総量はやっぱり輸入が多い。

この間のトランプショックなどもあり、貿易に対するリスクというか不安感もある中で、これ以上「食料」という私たちの生活の根幹となる部分を輸入に頼る割合を、これ以上増やしてもいいのかなという不安はちょっとありますね。

藤森キャスター:
食文化が変わり始めているかもしれません。

「朝食メニュー増減ランキング」(ライフスケープマーケティング 食MAP)といったデータがありまして、2025年1~3月に調査した家庭内での朝ご飯のメニュー増減のランキングです。やはりご飯が圧倒的に減っています。

【減少】
ごはん -51回
おにぎり -40回
かけごはん -39回
味噌汁 -33回
納豆/しらす・じゃこ -13回
野菜の煮物/大根おろし -12回

【増加】
ヨーグルト +49回
ポタージュ +17回
もち +10回
サンドイッチ/シリアル +8回
チーズ/テーブルパン +7回
ハム・ソーセージ +6回

代わりに増えたのはチーズやシリアル、サンドイッチなど。もちがお米の代わりなのでしょうか。調査会社によると、コメの置き換えにとどまらず和食から洋食で献立自体が変わっていき、結果的にヨーグルトが増えたのではないかという見方です。

トラウデン直美さん:
今は和食が世界中で人気で、ヘルシーで健康的だと注目されている中、日本に住んでいる私たちが和食を食べる機会が少しずつ減ってしまうというのは、なんだか切ないです。

日本のコメ農家は本当に頑張ってくださっていると思うので、報酬は確保しつつ、でも私たち消費者にも届くような調整ができたらいいなと本当は思います。

小川キャスター:
もちろん適正価格がどこなのかというところについて、さまざまな意見がありますが、日本の主食のコメが2024年の2倍という高値がずっと続いています。

こうした構造変化まで生まれてしまって、これをどれだけ政府が深刻に受けとめているのか、それがいまいち伝わってこない、共有されないというのが一番の問題かなと感じます。

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<プロフィール>
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行