長野県の須坂市動物園で、絶滅危惧種で国の天然記念物に指定されている二ホンイヌワシのヒナが誕生しました。繁殖に成功したのは、県内で初めてです。
週末、多くの来園者でにぎわった須坂市動物園。
今、特に注目の的なのがー。

翼を広げると2メートルほどになる大型の猛禽類・二ホンイヌワシです。
少し抜けているオスの「風輝」と、しっかり者のメス「小楢」。


3月下旬、2羽の間に飼育員も待望の赤ちゃんが生まれました。
担当飼育員 笹島優里華さん:「すごく小さくて目が大きくて、宇宙人がいる…みたいな。かわいかった」
白い毛に包まれ、パタパタと小さな足を動かしています。

絶滅危惧種で、国の天然記念物にも指定されている二ホンイヌワシ。野生では500羽もいないとされ、国内では11か所でしか飼育されていません。
そのため、須坂市動物園でも積極的に繁殖に取り組んでいて、飼育から9年目の今年、初めて成功しました。
警戒心が強く、巣も4メートルほどの高さにあるため、なかなかヒナを見ることは出来ないと言いますが、その姿を一目見たいと、多くの人が足を止めていました。
中には、持参した双眼鏡で必死に探す人も…。

大桑村から:「(イヌワシ見えた?)見えない。イヌワシ大好き。かっこいいとかわいいが共存しているところが。羽が白い時は今しか見れないので、今来て、見るしかない」
残念ながら、この日取材中にヒナの姿を見ることは出来ませんでしたが、飼育員が撮影した中には、貴重な食事シーンがありました。

お父さんの風輝が食べやすいように小さくちぎったエサをヒナがしっかりと受け取って食べています。
生後40日を過ぎた現在は、体長およそ50センチ、体重は1キロまで成長し、あと1か月ほどで巣から出てくるそうです。

担当飼育員 笹島優里華さん:「たまに顔を出しているので、ヒナの成長過程を見てもらって、モフモフの宇宙人がどんどん立派なイヌワシになっていく姿を皆さんに見てもらいたい」
動物園では今後、ヒナの名前を一般募集する予定です。