リニア中央新幹線の建設工事で隣り合う2つの工区から、掘り進めたトンネルが初めて貫通し、13日内部が公開されました。

JR東海が公開したのは、豊丘村と大鹿村にまたがる全長15.3キロの「伊那山地(いなさんち)トンネル」です。

3つの工区で、掘削が進められてきましたが、このうち戸中(とちゅう)・壬生沢(みぶさわ)と、坂島(さかじま)工区の間、豊丘側の出口から6.6キロ地点で、12日貫通しました。

堀内宏記者レポート:「あの場所が両側からつながったところです。トンネルは幅12.8m、高さ7.6m、この上にコンクリートの路盤がつくられ、ガイドウェイに沿って超電導のリニア新幹線が走ることになります。」

公開された貫通現場付近は、地下およそ300メートルにあり、アーチ状の鉄の部材やボルトでトンネルを補強しコンクリートを吹き付けています。

13日は、覆工(ふっこう)という作業でトンネルの壁や天井を仕上げた場所も公開されました。

JR東海中央新幹線 長野工事事務所 小池一之所長:「ひとつの節目であって工事は続いていくので、しっかりと状況を確認しながら、着実に工事を進めて1日も早く長野県内の工事を完成させていきたい」

伊那山地トンネルのうち、今回公開された2つの工区は、当初の予定では2026年9月頃に工事が終わる予定でしたが、現場の地質が悪いことなどから2030年~31年まで工事期間が延びる見通しです。

また、このトンネルを名古屋側に抜けた地点に建設される長野県駅は当初の計画から5年以上遅れて2031年12月に工事が完了する見通しです。