宮城県石巻市で5月6日以降、クマの目撃情報が相次いでいます。商業施設が立ち並ぶ市街地に出没したケースもあり、市や警察が注意を呼び掛けています。

石巻市北上町の北上川沿いの土手を歩く1頭のクマ。11日午後5時半頃、国道398号線を通りかかった人が撮影した映像です。

目撃した女性:
「最初は草の方に隠れたりしていたんですね。クラクションをピーって鳴らしたら顔をこっちに向くような感じで向いてきた」

クマは体長1メートルほどで、草むらの中から車の方を見ているように見えます。

目撃した女性:
「まさかいると思わなくてこっちの方に。びっくりしましたね」

一方、こちらは5月6日午後9時頃、石巻市茜平で自動車販売店の防犯カメラにクマが歩く様子が映っていました。現場は、三陸自動車道石巻河南インターチェンジ付近で、そばには大型ショッピングモールがあります。市によりますと、市街地でクマが目撃されたのはこれが初めてです。

11日までの6日間で、蛇田や北上地区を含め広範囲で11件の目撃情報が寄せられました。野生動物に詳しい専門家は、もともと石巻にクマは生息していないと話します。

石巻専修大学理工学部 辻大和教授:
「おそらく近くの生息地から何かの理由で市街地に移動してきたと思う。このエリアで短期間に頻繁に見つかるとしたら、同一の個体である可能性が高い」

クマが出没しそうな場所には近づかないことが大切だといいます。

石巻専修大学理工学部 辻大和教授:
「もし遭ってしまったら背中を向けると追いかけてくると言われているので、対峙したまま後ずさりをして距離を保つ。ある程度距離が出来たら逃げるのがいいと思う」

石巻市や警察は防災行政無線やSNSなどで注意を呼び掛けています。クマは映像や目撃情報などから大きさが1メートル程とみられ、辻教授は推定年齢は3歳から5歳、体重は30kgから35kg位とみています。

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