お腹とおしりがぷっくりしている「ブタ」。“ぽっちゃり”の代名詞としておなじみだ。しかしSNSでは「ブタは意外とスリム」「ブタは誉め言葉」などとイメージとは真逆の投稿が散見される。もしや私たちはブタを誤解している?「ブタ」の生態を調べてみると、驚きの事実が見えてきた。

■SNSで盛り上がる「ブタはスリム」“ぽっちゃり”ではない?ブタの生態の謎を解く

ブタを思い浮かべてほしい。ブヒっとした鼻、ぷっくりしたお腹とおしり。どこからどう見ても“スリム”ではない。しかし、SNSでは「豚は体脂肪率が低い」「人間なら結構スリム」との声が盛り上がっている。あの丸っこいブタが“スリム”って、不可解極まりない…。ブタの研究に40年、ブタのスペシャリスト、田中智夫先生にブタのブタたる所以についてきいてみた。

ーーずばり、ブタは実はスリムとの声があるようなんですが、事実でしょうか?

ブタのスペシャリスト 田中智夫先生

「なにをスリムというかですが、体脂肪率でいうと、脂の多いバラ肉でも大体30%、筋肉部分のロースやモモだと20%あるかないかくらい。ヒレ肉などほとんど赤身ばかりだと一桁です。人のように全身の脂肪率を示す具体的な数字はありませんが、おそらく全身でいうと、20%あるかないかくらいだと思います」

<40年ブタの研究をされた 田中智夫先生>

体脂肪率約20%・・・!?筆者の体脂肪率が(秘密)%だから、私よりよっぽどスリム・・・。一般的に女性の場合、体脂肪率20%未満は「やせ」、20%以上30%未満は「標準」が目安と言われていれる。体脂肪率約20%だとすると、ブタはけっして「ぽっちゃり」ではないことになる。

さらに、田中先生によると、ブタは、ベットルームとトイレをきっちり分ける「綺麗好き」で、学習をさせれば「待て」もできるほど「かしこい」動物とのこと。

イメージとはかけ離れたブタ本来の姿。「あなたブタみたい」と言われるのは「スリムだね」「綺麗好きですね」「かしこいですね」と言われているようなものなのか・・・。あれ、でもやっぱり「ブタ」と呼ばれるのは全然喜べない。なぜなのだろう。