微妙なバランスで成り立つ米価…2025年は

東京商工リサーチの統計では、倒産は負債総額1,000万円以上の法的整理を指し、休廃業・解散は事業停止や解散の届け出があった場合を含んでいます。

食生活の変化でコメ離れが進む一方、古米などの過剰在庫もあって2014年産は1万2,000円を割り込んでいました。

その後、在庫調整などで価格は1万5,000円台で安定していましたが、コロナ禍で飲食店の休業などが広がって需要が減退。在庫の積み上がりから、価格は下落傾向をたどっていました。

ところが今回、東京商工リサーチは、コメ不足を目にした消費者がコメ購入に動き、需給バランスが崩れて価格が上昇に転じたとみています。

本来は在庫が増えると米価が下がるはずですが、政府が備蓄米を放出しても、その効果が見られない状況です。

今は在庫を一定水準に保ち、米価を安定させる手法が効かなくなっていて、不作や在庫の供給不足が価格上昇を招く悪循環を招いていると分析しています。

東京商工リサーチは、このままの状況が改善されなければ、2025年はさらに多くのコメ農家が事業継続を断念する可能性があると懸念しています。