ロシア軍による略奪行為が発覚しています。酒にキックスケーター、高レベルの放射性物質まで…。また、JNNはロシア軍が一時占領していた村を独自取材し、住民への残虐行為が行われていたという証言を得ました。
■「全員が裸足で後ろ手に縛られて頭を撃たれていました」ロ軍占領の村
JNNの取材班は4月9日、ウクライナ・キーウ近郊の町マカリウに入りました。街には多くの爪痕が残されていました。
あき場聖治記者
「お菓子屋さんだと思いますけれども、まだ生菓子がそのままになっているので、日常にいきなり攻撃が加えられたという感じがします。迫撃砲が刺さってる。あまり近づかない方がいい」
一時ロシア軍が占領していたマカリウ。村長は地元メディアに対し、射殺された民間人132人の遺体が見つかったと語りました。キーウ近郊で次々と明らかになる民間人の被害。取材班は、マカリウから10kmほど離れた村、アンドリーウカに向かいました。
記者
「不発弾とかそういったものがありますので、我々もヘルメットと防弾チョッキを着て取材することになります」
1か月間ロシア軍に占領されていたアンドリーウカ。目に付くのは、大量の細長い木箱。戦車の砲弾が入れられていたとみられます。
「砲弾」「地雷」と書かれた民家の門も。「ここには人がいる」「子ども」と書かれた民家は、激しく破壊されていました。
溶接工のヴァディムさん(45)に自宅を案内してもらいました。車は丸焦げです。敷地内には、ロシア兵が掘った塹壕が残されていました。
ヴァディムさん
「ここでロシア兵が暮らし、食事をしていました。ゴミが散らかっています。これは携行食。ロシア軍と書いてあります。彼らは民家からマットレスや毛布を奪ってきて、何とか暖を取ろうとしていました」
ウクライナ軍がこの村を奪還する直前、ヴァディムさんはロシア軍のある行動を目撃しました。
ヴァディムさん
「ロシア軍が撤退する最後の日のことでした。塀のところに砲弾や弾薬を積み上げ始めたのです。兵士が言うには“司令官が弾薬を残すなと言ったんだ”と」
ウクライナ軍に使われないように保管していた弾薬に火をつけようとしていたといいます。ヴァディムさんは妻と逃げ出しましたが、次々に弾薬が爆発。自宅も炎に包まれました。
ヴァディムさん
「彼らは我々に知らせようとしていたわけじゃない。我々が気づいただけです。奴らは火をつけてそのまま出て行くつもりだったんでしょう」
ロシア軍が去った後、ヴァディムさんは道に放置されていた3人の遺体の身元確認を警察に求められました。そこで目にしたものは・・・
ヴァディムさん
「全員が裸足で後ろ手に縛られて頭を撃たれていました」
そのうちの1人はヴァディムさんの知り合いで、いまだ行方不明の人が何人もいるといいます。取材を終えると、ヴァディムさんは最後に涙をこらえながらこう言いました。
ヴァディムさん
「ありがとう。生きていきますよ。絶対に再建してみせます」
ウクライナの検事総長によると、「キーウ州だけで1200人を超える遺体が見つかっている」といいます。
■横行する略奪行為 酒も放射性物質も…
民間人に対する虐殺行為が指摘されるロシア軍。さらに略奪行為も問題となっています。
4月2日、ウクライナの隣国・ベラルーシの宅配便営業所の防犯カメラ映像にはロシア兵とみられる人物が映っていました。荷物は“略奪品”とみられています。兵士が取り出したのは酒の瓶。一般客の隣でパッキングしはじめたのは、キックスケーターです。さらに、多数のエアコン、大量の車のバッテリーも確認できます。
映像は営業所のホームページにリアルタイムで流れていて、異変に気付いたベラルーシの市民グループが収録しました。
ベラルーシの市民グループのアントン・モトルコさん
「ロシアの軍服を着た役者が演じていると言う人もいますが、映像は3時間もあるので、演技だとは思えません」
ロシア兵は営業所のスタッフに「ベラルーシで購入したものだ」と話したといいます。しかし、映像にはウクライナだけで営業している「エピセンター」という店の買い物袋も映っていました。
アントン・モトルコさん
「ロシア兵が、ロシア通貨のルーブルではなく、ドルやユーロ、ウクライナ通貨のフリヴニャを両替していると住民の証言が多く集まっています。特にフリヴニャはロシアから持ち込んでいるとは考えにくいので、そのお金を入手した経緯は容易に推測できるのではないでしょうか」
ロシア軍が1か月以上にわたって占領していた「チョルノービリ原発」でも略奪行為があったといいます。
男性
「占領軍の捕虜になったウクライナ兵士が監禁されていました」
様々な物が散乱した部屋。ロシア兵は監禁していたウクライナ兵を別の場所に連れ去った際、部屋を物色し、略奪行為を行ったといいます。周辺の関連施設も荒らされていました。室内はまさに足の踏み場もない状態です。
発電所内で働く男性
「ロシア兵はブチャやイルピンから略奪品を運んでいた。彼らは全てを持ち出し、食堂も略奪を受けた」
ウクライナの政府機関は4月10日、略奪についてこう投稿しました。
ウクライナの政府機関
「占領軍は研究所から、133個の高レベルの放射性物質を盗み出した」
政府機関は「素人が扱えば、少量であっても死に至る」と警告しています。
■ロシア軍東部へ移動の意味 マリウポリで数万人死亡か
また、懸念されるウクライナ東部でのロシア軍の動きについてゼレンスキー大統領は…
ゼレンスキー大統領
「ロシア軍はウクライナ東部でのより大規模な作戦に向けて動いている。さらに多くのミサイル攻撃や空爆を仕掛けてくる可能性がある」
親ロシア派が一部支配していた東部のドンバス地方で大規模攻撃を仕掛けてくるとみて警戒しています。
4月8日に撮影された衛星写真には、長さ13kmに及ぶロシア軍の車列が映っていました。北東部のハルキウからドンバス地方へ移動する様子だとみられています。
11日午後、韓国の国会でオンライン演説を行ったゼレンスキー大統領は、韓国側に武器の提供など、軍事的支援を求めました。また、演説の中で「壊滅状態となったマリウポリで数万人が死亡した」と明かしました。
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