携帯業界で続いてきた“値下げ競争”は終わったようです。NTTドコモに続いて、KDDIもきょう、主なプランの値上げを発表しました。

KDDI 松田浩路 社長
「混雑しているときでも、より快適にという価値をセットしました」

主要プランをリニューアルしたKDDI。auの使い放題プランは、現在契約している人も含めて8月から330円値上がりし、月額7788円となります。

一方、宇宙を飛ぶ「スターリンク」との直接通信や、海外での通信が使い放題となるほか、都心の駅など混雑する場所でもつながりやすくする“付加価値”を盛り込みます。

主要プランの値上げに踏み切ったKDDI。トップは苦しい事情を話します。

KDDI 松田浩路 社長
「建設会社とか販売の代理店とかの労務費だったり、我々、電波を取り扱うものですから、やはり電気代も上がってきている」

携帯業界では、2020年に楽天モバイルが本格参入。

楽天モバイル 三木谷浩史 会長(2023年8月)
「楽天モバイルがこの業界に参入し、競争を引き起こした」

当時の菅政権が携帯料金の値下げを公約に掲げたことも重なり、各社が値下げ競争を続けてきました。

一方、物価高で基地局の整備にかかる人件費や電気代は高騰。携帯大手のトップは値上げの必要性を訴えてきました。

ソフトバンク 宮川潤一 社長
「世界で一番強かった通信が今や、ただ安いだけの国になってしまった。開発力も本当に落ちてしまった。これを僕は本当は危惧している」

KDDIも値上げの理由のひとつにあげたのが、未来への投資です。

KDDI 松田浩路 社長
「通信の高度化やAI、エネルギーなどの新技術にもしっかり投資をして」

先月には、NTTドコモが主要プランにスポーツ専門の動画配信サービス「DAZN」を無料で使えるなどの付加価値を詰め込み、1000円以上の値上げを発表しています。

ただ、街からは…

「単純に安く、明瞭な方がいいなと」
「付加価値なくていいので、安くしてほしい」

総務省も一般論とした上で不快感を隠しません。

村上誠一郎 総務大臣
「携帯電話サービスは利用者が自らのニーズに沿って、適切かつ合理的に選択できるようにすることが重要であり」

かつては、2年縛りなどで利用者の囲い込み競争を繰り広げてきた携帯大手。今後は、サービス強化など“付加価値”による値上げが進みそうです。