戦争体験者やその意思を継ぐ人など、それぞれの思いをシリーズでつなぎ平和の尊さを見つめなおす「#あなたの623」。

今回は自身の記憶を原稿用紙に綴りRBCに送ってくれた宮里愛子さんの戦争体験をお伝えします。

RBC報道部に届いた、15枚の原稿用紙。震える文字で、沖縄戦当時の鮮明な記憶が綴られています。

~原稿から~
「空いっぱいに銀色のアーケージューが空を覆いつくしていた」

1944年、10・10空襲の描写です。原稿には何度も何度も書き直した跡が…私たちは執筆者を訪ねることにしました。

那覇市内の老人ホーム。

「こんにちは~」

原稿を送ってくれた宮里愛子さん88歳。パーキンソン病を患い、2年前からこの施設で暮らしています。

▼宮里愛子さん(88)
「RBCが戦争体験を募集しているので、それに見せてみようと思って送った」

宮里愛子さんは沖縄戦当時8歳。
生まれ育った那覇市垣花で空襲に遭い、祖母と5歳の妹とともに、那覇、豊見城へと避難し、金武を目指しました。しかし、道中で妹と祖母とはぐれます。

「サトウキビ畑でオバーを見失って、それから一人旅さ。もう、とっても苦しかったよ」

少女は避難民の後を追い、たった一人で金武を目指しました。

「足は腫れるし、血は出るし。みんなの後ろに隠れて、特にガマの中ではみんなは家族がいるけど私は(いないので)こう隠れてからさ。見つかったら怒られるさ」

避難する最中、忘れられない出来事があります。