今日(5月5日)は24節気の「立夏」です。阿蘇地方では田植えが始まりました。
朝の熊本県内は、3月下旬から4月上旬並みのひんやりとした朝を迎えました。

阿蘇市では、水を張った田んぼが水鏡になり、阿蘇五岳が映る「逆さ阿蘇」の景色が広がりました。

田植えを始めた阿蘇市の佐藤健介さん。コメ不足で価格が高騰するなか、佐藤さんは去年に比べ作付け面積を2割ほど増やすということです。

阿蘇市の米農家 佐藤健介さん「徐々に値段が上がればよかったんですけど、急に上がったということで懸念しているけど、やっと農家として見合う収益になってきたのでより多くおいしいお米を届けていきたいと思います」

その新米が待ち遠しくなるほど、コメの高値に悩まされる毎日です。
先週、農林水産省が発表した、5キロあたりのコメの平均価格は「4220円」と、16週連続で高値を更新しました。
値上がり幅は縮小傾向になっているものの、高止まりを続けるコメの価格に小売りの現場ではある変化が起きています。

記者「おコメ売り場の客からよく見える位置にずらりと並んでいるのが台湾産のコメです。リピーターも多く、売れ行き好調だということです」
こちらのスーパーでは、国産米の仕入れ状況が不安定だったため、3週間ほど前から台湾産米の販売を始めました。4キロ3239円で、隣に並ぶ九州産と比べると1000円以上低い価格です。

ロッキースーパーストア水前寺店 中熊飛太店長代理「粘り気が国産米よりも少ないが、品質的にはさほど国産と変わらないというお声をいただいている。一度買われた方は、値段を見て台湾米を買っていかれる方がほとんどです」
コメ売り場に50種類以上ある商品の中で、2番目に売れ行きが好調という人気ぶりです。
一方、こちらのスーパーでは…

記者「こちらではカルローズというおコメが販売されています。アメリカ産です」
5キロで3543円。県産米と比べると、500円~1000円ほど安いアメリカ産のコメです。

イワサキACE上熊本店 澤村祐樹店長「最初は動きが鈍かったんですが、だんだん認知されてきて少しずつ売れてきてはいます」
実際に食べたという人は…
消費者 70代「美味しかったですよ。今まで食べていたのより美味しいとは思わないけど、変わりないなと。これだけ安くて味もあまり変わらないなら充分じゃないかと」
一方で、アメリカ産を一度買い物カゴに入れて戻しに来た人も…
カルローズをなぜ棚に戻したのですか?――
消費者 40代「『くまさんの輝き』がいいって。母に価格で選んでと言われたんですけど、名前を聞いて、いつもの方にかえてほしいと」
品質や味などの面で外国産には抵抗があり、 手を出せないという声もありました。ということで。

記者「こちらが熊本県産米のご飯。こちらがアメリカ産米のご飯です。2つをじっくり見比べると、少しだけ県産米の方がツヤがあるように感じます。」

県産米とアメリカ産米を食べ比べてみました。
記者「アメリカ産米いただきます。水分感が少ない。パサつきというほどまではないんですが、県産米と比べるともっちり感が足りないように感じます。だけど、炊き方次第ではこういうご飯の日もある。言われなければ違いは分からないかもしれないです」
5日に取材したイワサキACE上熊本店では、アメリカ産米は5キロで3543円、熊本県産米は5キロ4000~4500円ほどでした。熊本市内に8店舗あるイワサキエースでは全店でアメリカ産米を販売しているということです。