すでに来場者が100万人を超えた大阪・関西万博。万博の中で広島がどのように発信されているのでしょうか?探してきました。

中根夕希キャスター
「万博会場に到着しました。東口の入場ゲート入ってすぐ、正面に見えるのがミャクミャクです。正座をしてお出迎えしているんです。皆さんが真っ先にこのミャクミャクと一緒に最初の一枚を撮っています」

取材を始めたばかりのこの場所で、突然、声をかけられました。

中根キャスター「きょうはどちらから?」
お客さん「広島市西区から来ました。ほかのみなさん廿日市と、大竹から」

広島西部木材同業組合のグループで、万博の視察で訪れていました。

中根キャスター「何を一番楽しみに来られました?」
広島西部木材同業組合の参加者「大屋根です。もちろん木材を見に来ました。できたらこれで我が家も作りたいですね(笑)」
中根キャスター「できたらすごいですね…」

そんな話をしていると、更に……

中根キャスター「皆さんはなぜ来られたのですか?」
お客さん「ダウン症のあるメンバーでキーボード演奏のアンサンブル演奏をしています。ステージに出演するためです。広島から来ました。」

万博のステージ出演など、さまざまな人たちが広島から訪れていました。中根さんも、大屋根リングに到着です。

中根キャスター
「迫力ありますね。天井が高く見えますし、木の骨組みがざーっと奥まで見えるのがとても美しいです、何より日差しを遮ってくれるので、とても涼しいです」

大屋根の下は、心地よい風も吹いていて、ベンチでは、お弁当を食べるなど、休憩スペースとしても使われていました。

中根キャスター
「ここからは見てください。万博の会場一望できますよ。地上とは違いますね。圧巻の景色です」

世界最大の木造建築物としてギネスにも認定された、大屋根リング。「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインのコンセプトのシンボルです。実際に登ってみると、遠くまで続く巨大さに圧倒されます。

中根キャスター
「こちらのオブジェはなんでしょうか?上の方には植物があって、下の方には水槽の中にお魚が泳いでいますね」

魚の養殖と野菜の栽培を融合させて、それぞれが生み出す物質を活用しながら食料を生産するしくみです。大阪ヘルスケアパビリオンでは、様々な未来のシステムが提案されています。

中根キャスター
「これが心筋シートなんですね。鼓動を打つかのようなリズムで動いています」

数億個の心筋細胞から作られた厚さ0.1ミリの心筋シート。弱った心臓に貼り付けて心臓の動きを助けるのです。

万博の魅力は世界の文化に触れられること。私たちはその中で、フランス館を訪れました。

中根キャスター
「こちらの部屋にはフランスを代表するブランドの一つ、ルイヴィトンのキャリーケースがおよそ80箱も並んでいるのです。すごく迫力がありますね」

いのちの根源である“愛”、そして伝統の“職人技”をテーマに展示されています。フランスの有名ブランドの展示が相次ぐ中、奥へ進んでいくと、広島に関係する展示が……。

まばゆい照明に照らし出されているのは、厳島神社の鳥居です。小さな島の上に修道院がそびえ立つモンサンミシェルと、しめ縄で結ばれています。廿日市市とモンサンミッシェル市は観光友好都市提携を結んでいます。

フランス館広報「歴史的にモンサンミッシェルと厳島神社の環境が似ていて、今の問題も結構近いということで、日本とフランスの関係を表したかったというのがコンセプトです」

人気の観光地で、牡蠣が名産。そしてオーバーツーリズムなど、様々な共通点があり課題に取り組んでいることから、両国関係の象徴として展示したそうです。

広島に関係する展示を探して、次に訪れたのは、日本政府のパビリオン、日本館です。「いのちといのちのあいだに」をテーマにしています。その中に展示されているサッカーボール。これは広島に本社がある、モルテンが2021年に製作したマイフットボールキットです。

小林康秀キャスター「これは組まれていて、中は空洞になっている。ボールを落としてみるとバウンドは低いですが確かに跳ねます」

カンボジア出会ったはだしでボールを蹴っていている子どもたちと会話したのがきっかけでした。

モルテン内田潤さん
「子どもたちの将来の夢を語るときに、夢を語れないような、夢すら持てない環境、そういった子どもたちにモノだけあげるのではなく、コトとして体験を届けること、子どもたちが成長するきっかけにならないかなと」

そこではだしで蹴っても痛くない、「組み立て式のボール」を作ることにしました。なんども試作を重ねた末、54個のパーツで組み立てるボールを作りました。世に送り出してから4年、万博での展示となりました。

モルテン内田潤さん
「私はサッカーやっていたので、日本代表になったようなうれしさもあり、子どもたちにボールを届けてくれる、たくさんのパートナー仲間がいますので、そういった人たちにもうれしい報告ができた」

今回日本館は、資源を再利用・再生する循環型社会がテーマです。万博で日本を代表する製品の一つとして紹介されるマイフットボールキットは、木桶の作りをモチーフに展示されています。

日本館大森俊輝さん
「分解できるように作られていることで、一部のパーツが傷んだり壊れてしまっても、そこだけ取り替えれば長続き使用することができる。最先端で作られたマイフットボールキットを取り上げさせていただいています」

場面は一転して夜の万博です。パビリオンは昼間とは違う表情を見せます。

中根キャスター
「夜の噴水ショーが始まりました。すごくきれい音楽に合わせて色とりどりの色が噴水に映し出されています」

広大な敷地で、朝から晩まで楽しめる関西万博。万博の中の広島を探してみるのもいいかもしれません。