品質を比較してみると「だいぶ色合いが違う」

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 取材班は商品がどんなものなのかを調べるために入手しました。袋入りの商品のパッケージには大きく「宇治抹茶」と書かれています。缶に入った抹茶はデザインは異なるものの容器の形はよく似ています。

 小山さんと一緒に商品を確認してみると…

 (小山元也社長)「宇治抹茶っていうふうに表記されていますね。宇治抹茶が入ってるとしか見えない形で書かれていますね」

 ところが、産地は見てみると上海と書かれています。つまり、中国産です。そして製造・販売元の名前がなんと「宇治抹茶」だったのです。

 宇治抹茶は中国では商標登録されていないため、社名を「宇治抹茶」とすること自体は中国の法律上問題ありません。ただ、小山さんは消費者が丸久小山園の宇治抹茶と勘違いして購入してしまうのではないかと危機感を募らせています。

 (小山元也社長)「その(中国産の抹茶の)品質が宇治抹茶だと思われてしまう可能性もありますし、もしかしたら『宇治抹茶が中国のものではないか』と思う人がこれからどんどん出てくるんじゃないかなと」
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 小山さんが中身を比べてみました。

 (小山元也社長)「だいぶ色合いが違う」

 たしかに丸久小山園の抹茶は緑が濃い一方、中国産の抹茶はやや黄色味を帯びているように見えます。お茶を立ててみると。
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 (小山元也社長)「抹茶独特の『覆い香』っていうのがうちのほうではグッとくるんですけども、(中国産の抹茶は)なかなか感じられない、同時に渋みが広がる。先人がずっと積み重ねてきた技術でもありますし、大事に育ててきたお茶そのもの。それが今やっと注目されてきたっていうこともあって、そこを侵されることは憤りというか、本当に悔しく思います」