インドのシン国防相は、カシミール地方で起きたテロ事件を受け、アメリカのヘグセス国防長官と電話会談しました。事件の背後にいるとみているパキスタンへの軍事行動について、理解を求めた可能性があります。

インド国防省の発表によりますと、シン国防相は1日、アメリカのヘグセス国防長官と電話会談し、カシミール地方のインド側支配地域で観光客ら26人が死亡したテロ事件について協議しました。

インド政府は、カシミールの領有権を争うパキスタン政府がテロに関与しているとみていて、会談でシン氏は「地域の安定を揺るがすならず者国家だ」と強調。「国際社会は凶悪なテロ行為を明確に非難することが重要だ」と訴えました。

これに対し、ヘグセス氏は「インドと連帯し、インドの自衛権を支持する」と応じたということです。

インドがテロへの報復として、パキスタンに対し、軍事行動に踏み切るとの見方が強まっていて、シン氏はアメリカ側に軍事作戦への理解を求めた可能性もあります。

一方、パキスタン軍は4月30日に軍事演習を実施し、軍高官は「いかなる侵略に対しても断固とした対応をとる」として、インドをけん制しました。

また、パキスタンのシャリフ首相は1日、パキスタンに駐在する中国の大使と面会し、テロへの関与を改めて否定したうえで、「中立的な調査を求める我々の立場を支持してくれた」として、中国側に謝意を表明しています。