親が育てられない乳幼児を匿名で預けられる「赤ちゃんポスト」設置に向け、準備を進める東京の医療法人が、熊本市の慈恵(じけい)病院を視察しました。
慈恵病院が視察に際し訴えたのは、運営するリスクと覚悟でした。
こうのとりのゆりかごを運営する慈恵病院を訪れたのは、医療法人「モルゲンロート」の秘書と東京都の区議会議員など10人です。

都内でクリニックを運営する「モルゲンロート」は、子どもの虐待事件を減らしたいと、再来年2024年の秋に、親が育てられない赤ちゃんを匿名で預けられる「赤ちゃんポスト」を設置する準備を進めていて、先行事例の慈恵病院の視察にやってきました。

区議会議員
「手紙が入ってます」

病院スタッフ
「手紙を取っていただいたら、次の扉が開くようになっています」
視察したスタッフ
「あ~、すごい」

視察では、実際に「こうのとりのゆりかご」の扉を開けるなどし、赤ちゃんが預け入れられるまでの一連の流れを確認しました。

その後、慈恵病院の蓮田 健(はすだ たけし)院長が、これまでに預けられた事例を紹介し、赤ちゃんポストを運営するリスクを伝えました。

慈恵病院 蓮田 健 院長
「『ゆりかご』と赤ちゃんポストは紙一重なんです。事件と紙一重。困り果てた女性たちに自分たちのリスクを賭してでも手を差し伸べないといけない。そこの難しさです。東京で開設していただくにあたりましては、組織全体としてその覚悟を持っていただいて…」

モルゲンロートは、内密出産にも取り組む意向で、2022年中に計画を確定させる方針です。
モルゲンロート 秘書 山村 嘉奈栄さん
「東京に赤ちゃんポストを作らなくてはならないと改めて感じました。課題はたくさんあるかもしれないんですけど、みなさんと一緒に作っていけたらいいと感じました」
