熊本市交通局は、30か所で熊本市電(路面電車)のレール幅が市の基準値を超えていたことを明らかにしました。交通局は2025年内に補修工事を終える方針です。

熊本市電をめぐっては、去年(2024年)の大みそかに熊本市役所近くで起きた脱線事故で、現場付近のレール幅が基準値より約30ミリ超えて、広がっていたことがわかっています。

大みそかの脱線事故(2024年12月31日)

レール幅は脱線などを防ぐために市などが基準値を決めています。

熊本市電の基準値は、現場によって異なるものの、1430ミリ~1450ミリです。交通局は毎年、市電全線12.1キロのレール幅を20メートル間隔で測定していました。

しかし、大みそかの事故現場は、20メートル間隔のほぼ中間にあったことで、基準値を超えていたことに気付かなかったということです。

こうしたことなどから、市交通局はより詳しく測定できる「軌道検測機」を新たに導入しました。今年3月に1メートル間隔で全ての線路を再調査したところ、30か所でレールの幅が基準値を超えて広がっていたことが判明しました。

最も幅が広かった場所では、基準値を9ミリ上回っていました。

基準値を上回っていたのは、敷設が比較的古い場所や、車がレールの上を多く通行する交差点が目立ったということです。

交通局は「直ちに運行に影響はない」として、通常の運行を続けながら線路の位置を調整するなど補修工事を進め、工事は年内に終える方針です。