◆介護保険制度の仕組み

介護事業の収益は、介護保険法で決められた「介護報酬」がすべてです。物価の高騰に対する補助などは一切ないため、閉鎖に追い込まれる事業所もでています。
フジケア 白木裕子社長「事業所規模がかなり小さなところは、本当に圧迫をされて、デイサービスなどを閉鎖をしたり、居宅のケアマネージャーさんのところも閉鎖したり。そういった流れは市内でも起きていると思います」
◆若いスタッフのなり手が……
国は今年2月から、福祉・介護職員1人当たり月額9000円を加算しています。しかし、求人に若い人が応募してくることはほとんどない、といいます。

小規模多機能ケア都の杜 計画作成担当者 河邉みち子さん「慢性的に人手は不足してるかなと思います。作業がきついとか、給料も普通の一般のサラリーマンとかに比べると安いのかな。介護報酬をちょっと上げていただくと、給料として反映させられるのかなと」
都の杜でも職員の平均年齢は58.5歳。ニーズにあわせて様々なサービスを考えたくても先が見通せません。
デイサービスセンター都の杜 管理者 石井朱實さん「朝から夜まで夕飯も出すとか、柔軟な体制でご家族の支援を、在宅支援していきたいんですが、やはり運営状態が厳しいので、そういうことをしたいと思いながらもできない状態です」
◆制度があってもサービスできなくなる?
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすために欠かせない、介護施設。
利用者小林光子さん「(この場所が)なくなったらもう、本当に生きがいがなくなります。ここ楽しくて」
慢性的な人手不足とスタッフの高齢化、そこに新型コロナと物価高も重なり、多くの介護施設がギリギリの状態で経営を続けています。

フジケア 白木裕子社長「もう待ったなしの状況にあると思います。(このままでは)本当に保険があるんだけどサービスは使えない、という介護保険制度になってしまう可能性が高いかな、と思います」