アメリカの思惑とトランプ関税の行方

今回のトランプ関税問題、交渉のプロはどう見るのか。

元外交官の大江博さんは2013年から、TPP=環太平洋パートナーシップ協定をめぐる交渉の最前線でアメリカと向き合いました。

大江さんは、トランプ政権が今、振り上げた拳をどうやって下ろすかを摸索しているのではないかと分析します。

元TPP首席交渉官 大江博さん
「アメリカがこういうこと(関税政策)をやったおかげで、いろんな国が譲歩してきて、(関税を)やめると言える状況を作るのは、実はアメリカが一番欲していることなんじゃないかと思う」

その上で、日本側が取引できる材料として、大豆やトウモロコシの他に、「コメ」もあると指摘します。

元TPP首席交渉官 大江博さん
「今のコメ価格がこれだけ上がっていることを見ると、かえって日本が進んででもアメリカから(コメを)輸入してもいいと思う。アメリカ、トランプ大統領からしたら『日本から譲歩させてやった』と顔が立つという。ウィンウィンじゃないかと個人的には思う」

そして、今後の交渉の行方については…

元TPP首席交渉官 大江博さん
「1日でも早くまとめた方が日本にとってもいいし、このままいくと世界経済がすごく低迷してしまうことを考えると、日本が早くまとめて、他の国もそれに続いて、この異常な事態が一刻も早く正常化することが重要なのではないか」