輸入拡大案に日本の大豆農家「笑っちゃう」

埼玉県内で大豆をつくっている石塚さん夫婦は、大豆が交渉の材料になるか、気を揉んでいます。

大豆農家 石塚晴香さん(38)
「自動車を守って大豆は輸入を推し進めて問題ないというのも一つの意見だけど、そうすると日本の大豆自給率はゼロになっちゃう。日本の大豆はなくなっちゃうって思います」

醤油や味噌などの原料で、日本食を支える大豆。すでに海外に頼っているのが現状です。

農林水産省によりますと、日本の大豆の自給率はわずか7%で、アメリカからの輸入が全体の7割を占めています。

石塚さんは東京ドーム約4個分の畑で大豆を育てていますが…。

大豆農家 石塚晴香さん(38)
「広くやってる割には収入も少ないし、手間も非常にかかるうえに、大豆は『博打』とか言われて、天候とかその年によって(収穫の)差がすごい。何百万円単位の差が出る」

石塚さんによると、大豆はコメと比べて同じ作付面積でも収穫できるのは3分の1ほど。さらに取引価格も安く、30キロで約4000円とコメの価格の3割程度にとどまります。

このため大豆を対象とした国の交付金を受け、コメや麦も育てることで生計を立てています。

なぜ採算が取りづらい大豆を作り続けるのか。

大豆農家 石塚晴香さん(38)
「(国産大豆を)知ってほしいし、いろんな人に楽しんでほしいし。農業や地域の農地というのを継続させていきたい思いがあるから」

大豆を使ったモンブランを考案したり、きな粉づくりのワークショップを開いたりして、国産大豆の魅力を伝えています。

そんな中で聞こえてくる輸入拡大案。石塚さんは...。

大豆農家 石塚晴香さん(38)
「笑っちゃうって感じかな。結局住む世界違うよねみたいな。大豆農家はもう減る一方ってなっちゃうから、そこをどう考えるのかな」