シリーズSDGs、地球を笑顔にするウィークです。2050年には海に生息する全ての魚の量を超えると予測される海のプラスチックごみ。これをもっと知ってもらおうと、廃棄されたあるもので「スピーカー」を作ったミュージシャンがいます。

記者
「穏やかな音楽が流れる、福岡市西区の音楽フェス会場です。なかでも目を引くのが独特な形のスピーカー。実は、漁業で使われるブイを使って作られています」

スピーカーを作ったのは、福岡県糸島市で活動するミュージシャンの江幡龍さん(37)。去年10月、廃棄される漁業用のブイを使ったスピーカー「ブイスピーカー」の製作を始めました。

きっかけは、地域の清掃活動でした。

江幡龍さん
「こんなにいっぱいあるんやって最初は思いました。ごみ拾いを習慣的にやっていたわけではないので(ごみの多さに)びっくりした」

普段はロックバンドでパーカッションを担当している江幡さん。音楽の力で何かできることがないか模索し、生まれたのがブイスピーカーでした。

江幡龍さん
「巨大ブイ。多分、韓国から流れてきている。これもスピーカーにできる」

ごみ拾いのリヤカーはプラスチックごみですぐにいっぱいに。世界自然保護基金によりますと、世界中で海に捨てられるプラスチックは年間およそ800万トンで、2050年には海の魚の総量を超えると予測されています。

江幡龍さん
「岩場とかに当たると割れて細かくなり、(自然に)かえらない。プラスチックが分解されるまでに何百年とかかるらしい」

江幡さんは地元の漁協が海底清掃で引きあげたブイを提供してもらっています。

この日、漁師の皆さんに初めて音を聴いてもらいました。

「これめっちゃいいね。娘のところの庭に置きたい」

糸島漁協 船越支所 松隈徹さん
「きれいな音でした。廃棄する漁具をこうして再利用して、とても良いことだと思う」

増え続ける海のプラスチックごみ。楽しみながら向き合ってほしいといいます。

江幡龍さん
「最初から言っていたが、ごみがなくなって作れなくなったらゴールでいいかな。(活動を通して)ちょっとずつごみが減ってもいいんじゃないかなと。全部は無理だとしても」