しかし社長の季宏さんは再建を諦めてはいません。

(古川季宏社長)
「でも諦めっていう部分は最初からなかったんですよ。1回どん底から立ち上げた会社でもありますし」
事業を再建するに当たって大きな問題となるのが、アワビの養殖を始めて出荷するまでのおよそ3年間、会社の収入がほぼ見込めないということです。

そのため翔太さんのアイデアで全国から支援を募るクラウドファンディングを始めました。
目標金額は5000万円。27日現在、541人から890万円あまりの善意が寄せられています。
(古川翔太さん)
「じゃあ、早めにお邪魔しますか」

11日、古川さん親子の姿は内陸の奥州市江刺にありました。
訪れたのは白金運輸の本社です。

(海鋒徹哉社長)
「表現は適切じゃないかもしれませんけど七転び八起き、ただじゃ起きないという風にそこにわたしも共感させていただいて」「ありがとうございました」
クラウドファンディングに大きな支援を寄せた海鋒徹哉社長に感謝を伝えるための訪問です。
(白金運輸 海鋒徹哉社長)
「三陸の海の幸アワビをもう一度消費者のみなさんにお届けする、その手助けができればという、そういった岩手を復興していきたいとそういった思いで今回協力をさせていただきました」

(古川季宏社長)
「我々もこれを力にして今後復興に向かっていけるんで、本当にうれしく思っております」
事業の再建に奮闘する古川さん親子を従業員たちも応援しています。

(入社4年目 和田健太さん)
「みんなと力を合わせて、少しでもいいアワビができるように努力していきたいと思います」
(古川季宏社長)
「今回は本当応援してくださる方が多くてですね。すごい助かっています」
(古川翔太さん)
「クラファンのコメントとして形として残るじゃないですか、あの応援コメントが。あれが本当に違うよね」
(古川季宏社長)「本当に力になるんですよ」

東日本大震災と大規模山林火災の2つの災害に見舞われた元正榮北日本水産。
二重被災を経て目指すのは災害に負けない強い企業です。

(古川翔太さん)
「また被害を受けたわけで。また再建レベルで目標で満足しちゃうとダメだよねというところで。やっぱり、また災害が来てもビクともしないような、そんな会社をゴールに設定しないと」

多くの人の後押しを受けながら、古川さん親子の歩みは続きます。