海外旅行で知らぬ間に“運び屋”に?

高柳光希キャスター:
当事者たちが理解した上で密輸してくるケースのほかに、知らず知らずのうちに“運び屋”になっているというケースもあるようです。

【30代夫婦のケース】
海外旅行でお世話になった現地ガイドに頼まれたケースです。
現地のガイドに「日本にいる友人に渡して欲しい」と、コーヒー数袋を渡されました。しかし、コーヒー袋の中身は「覚醒剤」で、運び屋に仕立て上げられたというケースでした。

【40代男性のケース】
SNSで知り合った海外に住む“恋人”に会いに行ったケースです。
“恋人”の知人を名乗る人物から、「日本の友人に渡してくれ」とお菓子が渡されました。しかし、お菓子の中身はコカインでした。

もしも運び屋になってしまった場合、関税法違反で▼10年以下の懲役、もしくは3000万以下の罰金が科せられます。さらに、▼薬物の種類によっては無期懲役の場合もあります。

知らぬ間に“運び屋”にならないようにするには、どう対策すればよいのでしょうか。

TBS報道局 社会部 竹本真菜:
「お金をあげるから、これを持って行ってほしい」と言われた場合など、少しでも違和感を抱いた際には、現地警察やその国の日本大使館などに連絡をしてください。

また税関では、「税関密輸ダイヤル」という専門ダイヤルを設けています。こちらに電話を掛け、現状を相談してみることもいいかもしれません。

【税関密輸ダイヤル】0120-461-961

井上貴博キャスター: 
やはり怪しいと思ったら、細かく調べていく。外国人観光客が急増している中で、税関の係員の負担も相当だろうと感じます。

水野太貴さん:
密輸の取り逃しも危険ですが、誤認での取り調べは当事者の気分を害することにつながります。怪しかったら声をかければいい、というばかりではないのも難しいところです。

出水麻衣キャスター:
旅先は少し心細いと思います。その心細さの中で、「よくしてもらった人の頼みなら聞いてあげたい」という心理が働くことは理解できますが、そこに「ノー」と言える勇気を持つことが大事だと思いました。

井上貴博キャスター: 
食べ物にウイルス、細菌を持ち込ませてはいけない。水際対策がいかに大切かということがわかりました。

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<プロフィール>
水野太貴さん
大手出版社で編集者として勤務
YouTubeで「ゆる言語学ラジオ」で言葉のおもしろさを発信

竹本真菜
TBS報道局社会部
警視庁・東京税関担当
違法薬物・危険ドラッグの現場を取材