春の叙勲が29日に発表され、宮城県関係は126人が受賞しました。そのうちの一人で、旭日単光章を受章した石巻市の木の屋石巻水産の元社長、木村長門さんは、震災を乗り越えて水産加工品の製造・販売に尽力しました。

木の屋石巻水産 木村長門元社長:
「私がいただいたというよりも、会社が評価されてこうなったことはうれしいですよね」

木の屋石巻水産の元社長、木村長門さん(72)は、旭日単光章を受章しました。ポ木の屋石巻水産は、石巻港で水揚げされたクジラやサバなど水産物の加工品を製造・販売しています。

木村さんは、京都の大学を卒業後、1957年に父親が始めた水産加工会社で働き始め、42歳で後を継ぎ2代目の社長となりました。

2011年3月の東日本大震災では、本社工場や事務所が津波被害を受けました。

木の屋石巻水産 木村長門元社長:
「水は2階までまで来た。これではもう再開はできないという思いだった」

被災直後は、廃業も考えたといいますが、会社の灯火を消すわけないにはいかないと工場を震災前と同じ場所に再建。内陸部の美里町にも工場を建設し、2013年に生産を再開させました。これからも、ふるさとのために力を注ぎたいと話します。

木の屋石巻水産 木村長門元社長:
「石巻は水産の街なので、どんどん水揚げが減ってきているなか、将来に向けて魚が取れるような海をつくっていく努力をしていかなければならない」