シリーズSDGsです。全国で年間30億本以上が出荷されている切り花。でも、その一部は形や色が少し違うだけで、捨てられています。そんな花を生まれ変わらせて、親子の笑顔につなげる取り組みが始まっています。
ネイリストの中山あさなさんが手掛けるフラワーネイル。使われているのは、本来なら捨てられてしまう花びらです。
ネイリスト 中山あさなさん
「自然の花びらを使うことによって、色味のグラデーションだったりとか、質感だったり、それはやっぱり天然のお花を使うならでは、だと思います」
中山さんは今年から、フラワーアーティストの篠原莉子さんと一緒に「フラワーロス」を減らす取り組みを始めました。
この日も、捨てられてしまう花を探しに生花市場へ。
ワールドフラワー花竹 鋪田光児さん
「下はきれいなんですが、僕らのところだと商品ならなくなってしまう。売れないですね。皆さん、タダでもいらないって言われます」
農林水産省によりますと、市場に出荷された切り花のうち、1割から3割が形や色が悪いなどの理由で商品にならず、廃棄されています。その数、およそ10億本にも上ります。
篠原さんと中山さんは、こうした捨てられてしまう花々をドライフラワーや押し花に変え、子どものケアに追われているお母さんたちを癒したいと、新たなワークショップを企画しました。
ネイリスト 中山あさなさん
「実際に音の鳴るシェイカーを作っていこうと思います」
障害のある子どもを育てる参加者
「子どもが発達障害で、4番染色体の異常というもので」
「子どもが2人いるんですけど、上の子がジュベール症候群という疾患があって。きょうは息抜きも兼ねて楽しく参加できたらいいなと思っています」
この日、集まったのは障害のある子どもとその家族です。
ワークショップでは、廃棄花を閉じ込めたネイルチップを使い、世界にひとつだけのキーホルダーを作ります。
普段は自分のことを二の次にしてしまうお母さんたちも、この日は自分の作品づくりに夢中。
参加者
「一緒に(製作)することを経験したことがなかったので、きょう、とても良かったです」
リフレッシュにもつながったようです。
参加者
「今、こうやってキラキラしたものを見て、息抜きになりました。帰ったら(子どもに)優しくしてあげなきゃなと思いました」
「捨てられる花をひとつでも減らしたい」。その想いから始まった取り組みが福祉へとつながる新しい可能性を2人は感じています。
ネイリスト 中山あさなさん
「ロスフラワーの削減、福祉への貢献とかっていうところに、おしゃれの世界なんですが、つながることができるというのは、すごくうれしい」
注目の記事
若者に広がる住宅ローン"50年" 建築コスト増で総返済額より毎月の支払いを重視…金融機関・購入検討者・ハウスメーカー・FP それぞれのリアル 35年返済は終焉に向かうのか

【独自】「私が母でなければ…」山上被告の母が語る後悔 “献金”の実態は? 旧統一教会めぐる2つの裁判の行方【報道特集】

「息子のあんたが責任を持って殺しなさい」8年間の孤独な介護の末、91歳の母親の命を絶った男性の苦しみ “介護殺人”を防ぐには【news23】

「別腹」は気のせいじゃない…正体は脳と胃が連動して起こる “生理反応” 食べたい誘惑に打ち勝つ!医師が解説

クマ外傷の9割は“顔面”を損傷「鼻を拾って外科手術で…」100例以上診た医師が語るクマ襲撃のリアル「精神的なダメージも深く」後遺症でかすむ日常

「太陽系外から飛来」の恒星間天体「3I/ATLAS」が最接近へ 「観測史上3つ目」宇宙望遠鏡が捉えた姿









