備蓄米の流通 カギになるのは街のコメ店?
大手の集荷業者と取引実績のないスーパーや小売店には届きづらい状態が続いている備蓄米。
備蓄米が1回目に落札されたのは、3月中旬。2回目と合わせて9割以上、約20万トンを落札したのがJA全農です。
そのJA全農が販売状況を公表し、落札から1か月以上が経った4月24日時点で、卸売業者に出荷されたのが24%にとどまっていると明らかにしました。

備蓄米は一般的に、卸売業者が玄米を精米し、小売店に販売されます。
JA全農は、遅れの要因について「配送トラックの手配がスムーズにできていないことと、精米に時間がかかっている」と説明。
一方、JA全農から備蓄米を買い付けている卸売業者の「全農パールライス」は、全国14か所の工場で精米作業をおこなっていますが、「備蓄米の精米が遅れている事実はない」としています。
両者の言い分が食い違う中、早く消費者のもとに届くためにはどうすればいいのでしょうか。
小倉屋松屋米店の小林さんは、備蓄米の流通に小規模な小売店が役に立てることもあると話します。

小倉屋松屋米店 小林隆店長
「(流通が)それだけ時間がかかってしまっているということなので、時間を考えれば、玄米でうちに来た方が、早く、時短で消費者に提供できると思う」
街のコメ店など、精米機能を備えているところには、玄米のまま出荷すれば、より早く消費者に届くと指摘。その上で、専門家は中小の業者も取引に参加できる制度にするべきだと話します。

流通経済研究所 折笠俊輔 主席研究員
「街の精米店であれば、玄米で流通し、現場で精米することができるので、『備蓄米の何割は小売店向け』というふうに、ある程度枠を決めて備蓄米を放出するのも1つの方策ではないか」