■「XBB」は感染スピードが速いとの解析も

一方のXBBは、シンガポールなどで拡大しています。2022年9月にシンガポールで報告され、インド・バングラデシュなどこれまで21か国で確認。シンガポールでは感染者の約半数がXBBと推定されています。こちらも日本では検疫で7件確認されています。
シンガポールにおけるXBBの割合ですが、BA.4/5、BA.2、BA.2.75の中に、XBBが9月中旬から増加しています。BA.5と比較して感染スピードが20%速いと解析する専門家もいるとのことです。
■「BQ.1.1」「XBB」専門家の見解は
ーー「BQ.1.1」「XBB」は、どちらもオミクロン系統なんですか?
東北大学大学院 小坂健教授:
どちらもオミクロン系統です。孫みたいなもので、「BQ.1」系統はオミクロン。「XBB」は2つの株が一緒になって合体したような形なのでそういう名前になっています。
ーー「BA.5」よりも怖いんですか?
小坂教授:
すごく病原性が高いとか重症化するということはまだはっきり分かっていません。
ワクチンや感染によって得た免疫を、すり抜けるものが広がる株なので、そういう株がこれからも広がっていく可能性はある。
ただ、これまでオミクロン株に感染した人でも、再感染する可能性が指摘されています。何度も感染すると重症化に繋がることもありますので、用心することになると思います。
新しい株だからとあまり心配する必要はないと思いますが、これまで通りの対策を続けていくことが必要だろうと思います。
ーー「BQ.1.1」「XBB」について、ワクチン接種の効果はありますか?
小坂教授:
新しいハイブリッドのワクチンが出て、「BA.5」などにも対応できるようになってきています。ただ今回の新しい株が、「免役逃避」と言って、少し効きが悪いんじゃないかという報告があります。逆にそういう株だからこそ流行してくる。
だからこれまで通りワクチンのブースター接種(追加接種)をやりながら必要最低限のきちんとした対策をとっていけばいいと思います。
ーーインフルエンザもコロナも、どちらもワクチンを打った方がいいですか?
小坂教授:
そうですね。特にインフルエンザのワクチンをしっかり打っておくことが重症化予防にもなりますし。今は同時接種も可能ですので、ブースター接種とインフルエンザを同じ日に打つこともできます。
■4歳以下のワクチン 順次接種開始

10月24日から、生後6か月〜4歳を対象とした新型コロナのワクチン接種が始まりました。使用されるのはファイザー社のワクチン。有効成分が大人の10分の1なので、合わせて3回の接種が必要になります。
接種間隔は、1回目と2回目の間が3週間。2回目を打った後は少なくとも8週間空けてから3回目の接種となります。準備の整った自治体から順次接種を開始するということです。
生後6か月〜4歳のワクチン接種も、5歳以上と同じ予防接種法上の「努力義務」ということですので、打つ本人や保護者が納得した上で接種を判断することになります。
恵俊彰:
生後6か月ぐらいだとポリオであったりいろんなワクチンたくさん打ちますけども、
やっぱりこれも3回打たなきゃいけないんですね。
小坂教授:
やはり子どもたちのワクチンは中身のメッセンジャーRNAが少ないので、3回打たないとなかなか効果が現れないということになっています。
ーー努力義務となっていることについて
小坂教授:
インフルエンザなどに比べて、このところ新型コロナの入院が増えているとアメリカで報告があり、200人以上が亡くなっているんですね。だから基礎疾患のある方は打った方がいいし、対策としていろんなことをやっても、なかなか子どもたちの感染拡大を止めるのが難しい。シンガポールやアメリカでも、ワクチンで防いでいこうという形になっています。
ただ子どもたちはそれほど重症化しないし、感染予防効果はそんなに高くはないのでその辺のバランスをどう見るかというのは非常に悩ましい選択になると思います。
恵俊彰:
各ご家庭の判断ということになるようですね。でもやれることをしっかりやりながら、これからやってくるだろう第8波に備えるということになるんでしょうか。
(ひるおび 2022年10月25日放送より)