冷え込みが続くと、より警戒が必要となってくるのが新型コロナの再拡大。
第8波が懸念される中、厚労省は生後6か月から4歳の子どもを対象としたコロナワクチン、約700万回分の配送を開始。準備の整った自治体から順次接種が始まる予定です。
一方、欧米ではオミクロン株の新たな変異株が確認され、猛威をふるっています。日本への流入の可能性はあるのでしょうか?専門家に聞きます。
■「寒いところから感染が始まる」全国の感染者数 2か月ぶりに増加

全国の新規感染者数が、2か月ぶりに増加に転じています。前週(10月19日までの1週間)に比べ、1.35倍となっています。自治体別、関東1都6県で新規感染者数の前週比を見ても、全ての県で増加しています。
厚労省専門家組織 脇田座長は
「北海道・東北などが感染スピードが早い。寒いところから感染が始まるということもあるかもしれない」と述べています。
ーー全国的に2か月ぶりに増加傾向ということですが、原因は?
東北大学大学院 小坂健教授:
特に寒い地域で多いというのは、ひとつは寒さで換気ができなくなってきていること、さらに東日本の方がこれまでの感染者が割と少ないので、免役を持っている人が少ないといえるかもしれません。やはり寒さとともに防御機能も少し落ちてきますので、呼吸器感染症はどうしてもこの時期から増えていきます。
ーー一時の26万人という高い数字から比べると、1万人台とかなり減っているようには感じるんですが、この数字をキープしていけるでしょうか?
小坂教授:
昨年もそうですし一昨年もそうですけど、やはりこれから冬にかけて感染者が増えると。第7波より高い波が来るんじゃないかという予測をしている人もいます。そういう最悪の状態に備えながら、またインフルエンザの流行にも備えながら、今のうちに対策をとっていくことが必要です。
■海外では新たな変異株も

日本では、オミクロン株BA.5系統に概ね置き換わっているという状況の中、海外では2つの変異ウイルスが確認されています。
▼通称“ケルベロス”と呼ばれている「BQ.1.1」
▼通称“グリフォン”と呼ばれている「XBB」
変異を繰り返しており、免疫をすり抜ける力が高く、さらに感染を広げる力も強いと見られています。
■アメリカなどで拡大する「BQ.1.1」

「BQ.1.1」はアメリカなどで拡大しています。2022年9月にナイジェリアで報告され、イギリス・フランス・デンマークなど、これまでに48か国で確認されています。日本でも既に検疫で11件、国内で6件確認されています。
アメリカでのBQ.1.1の割合は9月から徐々に増えていき、10月に入って急激に増えています。置き換わりが始まっており、今後も上昇が懸念されます。