端午の節句を前にこいのぼりを目にする機会が増えてきましたね。高知県梼原町でも色とりどりのこいのぼりが山里を彩っています。訪れる人達に喜んでもらおうという、地域の住民たちの取り組みです。

(リポート:中屋裕貴)
「梼原町に来ています。こちらのこいのぼり見てください。色とりどりのこいのぼりが、およそ3000匹ほどきれいな青空の中、泳いでいます」

高知県梼原町の白谷地区では毎年、小さなこいのぼりが山里の小さな町を彩っています。地元の住民たちが10年ほど前から始めた取り組みで町外からたくさんの人が見にくるようになり、今では梼原の初夏の風物詩となっています。

「色がカラフル、色の種類がいっぱいあった。楽しい」

この地区に住む上田知子さんも、毎年、こいのぼりをあげている一人です。

(上田知子さん)
「一番多い時で7000匹ちょっとくらいはかかった。かわいいね、ゴールデンウィークに来てあそこがにぎわってすごいね、心もほっとする、やる人もすごく楽しんでいたので何とかここまで来た」

こいのぼり本体やロープなど、必要な費用は地区の住民たちが賄っていて3年から4年ほどで交換する必要もあります。

2025年あげたこいのぼりは、およそ3000匹ほど。例年よりは少なくなっています。

(上田知子さん)
「どんどん鯉もダメになっちゃうし、ロープも弱くなっちゃうし、それと老齢化、10年の間に足腰が悪くなったり、金銭的にも労力的にも無理して出来なくなったというのが現状で、半分くらいの人たちが『もう、ようしないかな』というようなかたちになってきた」

上田さん自身も「何度かやめようとしたことがある」と話します。それでも、「何とか地区を訪れた人を楽しませたい」という思いが、原動力になっています。

(上田知子さん)
「ここを通る人たちが『無いとさみしいね』とか、これをのけたら次の日から『なんかさびしくなったね』という声がある。自分たちが出来るかぎりやって、それを思った人が、続けるために『こうよね』という人がいたらそれでいいと思う。喜んでもらえるんだったら“鯉”がだめになるまで何とかやろうという思いだけです」

白谷地区に住む人たちが繋いできた色鮮やかなこいのぼり。5月の終わりまで見ることができるということです。