長野県松本市で毎年秋に開かれている松本マラソンの実行委員会は、過去の大会の会計処理に不正があったなどとして、今年の大会を中止する方針を決めました。

■臥雲義尚松本市長
「皆様の信頼やご期待を裏切る形になってしまい、実行委員長としてお詫び申し上げます」

23日に開かれた松本マラソンの実行委員会で陳謝した、臥雲市長。大会運営を巡って「会計処理の不正」があったと明らかにしました。

不正があったのは2023年11月の大会。運営の収支が実際には赤字だったものの、黒字と報告していたというのです。

原因は参加費収入の不足。募集した9000人に対してエントリーしたのは、およそ4900人で、大会後3900万円の赤字となったといいます。

そこで大会の運営業務を委託していた信濃毎日新聞社に対して費用の圧縮を相談。
赤字を減らしそれでも足りなかったおよそ1500万円を翌年以降に支払う約束で「委託費」を過小に記載し、75万円の黒字と報告しました。

事務局は赤字だとイメージが低下し、大会の継続が難しくなると判断したとしています。

しかし、去年の大会も、エントリーは5000人余りにとどまり、2800万円余りの赤字に。おととしの分も含めると4400万円近い赤字となり、今年の大会を中止する方針を決定しました。

■臥雲義尚松本市長
「2023大会の赤字分は大会運営が軌道に乗れば、2024大会以降の収入で対応できると極めて甘い見通しを持っていたが、輸送費や人件費の物価高騰の影響が重なり、担当職員らが考えていた2023大会の補てんをできるような状況とはならなかった。大勢の皆様の期待と信頼を裏切る結果になったことは大変遺憾であり、実行委委員長としての管理監督責任は非常に重いものと受け止めている」

実行委員会では、2023年より前の大会については不正はないとしています。