前回の取り出しとの違いは?

燃料デブリについては、前回、去年11月に行われた1回目で、0.7グラムのデブリが採取されています。今回取り出したデブリは、具体的な重さはまだ明らかになっていませんが、当初の計画では3グラム以下となっています。

前回と大きく違うところは、採取した場所で、1回目は格納容器の手前側からデブリを取り出しました。今回は、前回より1メートルから2メートルほど奥、格納容器の中心に近い場所から取り出しました。

デブリは、核燃料をはじめ周囲の金属やコンクリートが溶け落ちていて、どのような性質があるのか詳しくは分かっていない、未知の領域です。異なる場所から採取したことにより、デブリの成分や性質の違いが判明するのではないかと考えられています。

1回目と2回目の取り出し作業では、釣りざお式の装置を使っていましたが、東京電力は、今年度後半にもロボットアームを使った取り出しを目指しています。このロボットアームは、釣りざお式よりも広い範囲でデブリの採取が可能ですが、これまで装置の不具合などから導入が遅れていました。

福島第一原発には、1号機から3号機に合わせて880トンのデブリがあるとみられていますが、本格的な取り出し方法は、まだ決まっておらず不透明なままです。2回目の取り出しが完了しましたが、2050年ごろの廃炉完了に向けて、いまだ課題が山積している状況です。