新年度に入り3週間余りがたち、そろそろ新生活に慣れ始めた人も多いのではないでしょうか。そんな時に気を付けたいのが「五月病」です。
実は、まもなく始まるゴールデンウイークの過ごし方がポイントになります。「五月病」の症状や予防の方法について、医師に聞きました。

仙台市青葉区の朴澤耳鼻咽喉科では、例年、ゴールデンウイーク明けの5月から症状を訴える人が増えるといいます。

朴澤孝治院長は、症状は身体的なものから精神的なものまで様々だと指摘します。

朴澤耳鼻咽喉科 朴澤孝治院長:
「具体的には頭痛、腹痛、めまい、耳鳴り、体がだるく朝起きられない、やる気が出ないという症状」

新しい環境で生活習慣や精神状態が不安定になりやすい春先。街では、経験したことがあるという人もいれば、精神面が影響していると考える人もいました。

20代女性:
「新しい生活が始まるとやる気が出ない感じストレスになる」
60代女性:
「勤め始めた頃、仕事にも慣れなくてゴールデンウイーク明けに体調を崩して仕事を休んだこともある」
70代男性:
「現実に戻りたくなくなるのでは、楽しいことが多いとそのあとのダメージが大きいから」

病院での血液検査や心電図などでは、異常が見られず、医学的な病名はついていない「五月病」。実は、症状の原因は、いずれも自律神経の乱れだといいます。

朴澤耳鼻咽喉科 朴澤孝治院長:
「交感神経が元気なうちは結構前向きで、体も動くが結構疲れる期末から新年度にかけて、ゴールデンウイーク中にだらだら過ごすと、交感神経が擦り切れているところで副交感神経が優位になる」

また、その自律神経の乱れにつながる要素を持っている人も要注意だと指摘します。

朴澤耳鼻咽喉科 朴澤孝治院長:
「生活習慣が乱れていたり、何でも囲い込んで他人に頼らないで自分だけで頑張ってしまう人は、交感神経が擦り切れてしまうこともある」

朴澤院長は、症状がみられた場合には、医療機関で相談し、自律神経バランスを分析するなどして「五月病」に早く気付くことが大切だと話します。

朴澤耳鼻咽喉科 朴澤孝治院長:
「脈拍を2分半くらい計測することで、その人の交感神経と副交感神経がどうなっているかわかる」

「五月病」に治療薬はありませんが、自律神経の分析を行うことで、交感神経と副交感神経のどちらが優位か確認し、生活習慣を整えることで、症状が改善されるといいます。その一つに「呼吸法」があります。

朴澤耳鼻咽喉科 朴澤孝治院長:
「腹式呼吸=丹田呼吸をすると交感神経(機能)が上がって、逆に副交感神経(機能)が落ちている人は、ゆっくり深呼吸をする」

そして何より、規則正しい生活を送ることが治療になるということです。