解散を命じた東京地裁の決定に対し、不服申し立てにあたる即時抗告をした旧統一教会は、抗告理由書の要旨をホームページで公表しました。

旧統一教会をめぐっては、東京地裁が今年3月25日、「信者によって行われた不法な献金行為で甚大な被害が生じた」などとして教団に解散命令を出し、教団側はこの決定を不服として、東京高裁に即時抗告しています。

教団はきのう、ホームページに抗告理由書の要旨を公表しました。

東京地裁の解散命令は教団の不法行為を根拠としていますが、理由書で教団側は「訴訟上の和解と裁判外の示談を根拠として、推測により不法行為を認定するのは実態のない空論で、著しく法の正義に反する」と指摘。

また、「解散命令が信者の信教の自由に及ぼす重大な影響の比較衡量を全くせず、信者が被る社会的差別などの人権侵害を全く考慮していない」として、憲法に違反すると反論しています。

教団側の即時抗告により、審理は今後、東京高裁で行われることになりますが、教団の解散命令が確定した場合、裁判所が選任する「清算人」による清算手続きが始まります。

ただ、清算手続きを定めた宗教法人法では「清算人」の具体的な権限を明記しておらず、教団から高額な献金の被害を受けたと訴える人たちからは「清算人の権限が曖昧だ」などと懸念する声が上がっています。

こうした声を受けて、文部科学省は今月18日、解散命令を請求された宗教法人の清算について、今年の秋をめどに指針を策定すると明らかにしました。

文化庁に設けた検討会で「清算人」による財務状況の調査や、債務弁済の方法、信教の自由への配慮のあり方などを検討するとしています。