個人が造った隧道!?赤い門が付いた不思議な隧道

続いて訪れたのは、北鎌倉駅のすぐ近く。鹿取さんが4か月前に発見し、気になっていたという隧道へ向かいます。北鎌倉駅から線路に沿って北上すると、赤い門が付いた不思議な隧道が出現!

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「周りとのギャップがあって、ここだけ不思議な空間が広がっている」

門には「好々洞」や「料理」の文字が書かれており、まるで中華料理店のような門構えをしています。

隧道の中に入ってみると、壁面にはゴツゴツとした手掘りの跡がぎっしり。途中の壁面にはコンクリートブロックで塞がれた跡が2つあり、隙間から中を覗くとどちらも奥に空間が見られます。

近くに住む方の話によると、この地域にかつて広大な敷地と別荘を持っていた所有者が昭和12年に手掘りで隧道を造ったとのこと。その後、別荘を料亭「好々亭(こうこうてい)」に造り替えて開業する際、奥にお店があることを知らせるために中国風のデザインの門を付けて目立たせたと言います。

また、隧道内の塞がれた2か所の穴は、戦時中に防空壕として使うために掘られ、その先には高いところを狙うための高射砲が置かれていたそう。

かつて賑わいを見せた「好々亭」は、平成19年に閉業。建物は無くなり、跡地には藪が生い茂っていますが、隧道は公道として残され、地元民が北鎌倉駅に行くための便利な道として使われています。

2024年7月23日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より