イギリスの次の首相にスナク元財務相が就任することになりました。イギリスでは初のインド系の首相です。証券大手のゴールドマンサックなどで勤務してきた“スーパーエリート”。今、イギリス国民は光熱費高騰や物価高に苦しんでいますが、スナク氏はどんな政策を打ち出すのでしょうか?

■スナク元財務相が次のイギリス首相に ジョンソン前首相は出馬断念

日本時間の24日の午後10時にイギリス・与党保守党の党首選の立候補が締め切られました。


保守党議員委員会
「立候補が1名なことが確認された。したがってスナク氏が保守党党首に選ばれました」


立候補を表明していたモーダント元国防相が直前に撤退。出馬が取りざたされていたジョンソン前首相は「今はその時ではない」と日本時間の今朝、出馬を断念。唯一の候補者となるスナク氏が新たな党首となった形です。つまりスナク氏が次のイギリスの首相です。トラス首相がわずか45日で辞任したことがきっかけですが、今、イギリスで何が起きているのでしょうか?

■深刻な光熱費の高騰 トラス首相は大型減税を打ち出すも「トリプル安」に


ロンドン・西村特派員
「一杯730円だったこちらのビールは今年に入ってから70円値上がりし、さらなる値上げが検討されているという事です」


今、イギリスは光熱費の高騰が深刻です。こちらのパブでは2022年の1年間の光熱費が、前の年に比べて4倍近くになる見込みで、少しでも光熱費を抑えようと電気やガスの代わりに石炭や薪を使うと言います。


パブのオーナー エマ・マクナボーさん
「私たちは皆苦しんでいます。冬には危機的な時が訪れるでしょう」


苦しい国民生活を支援しようと大型減税策や光熱費支援策を打ち出したトラス首相。しかし、財政悪化の懸念から株安・債券安・ポンド安の「トリプル安」となり市場は大混乱となりました。