円安で輸入品が値上がりする中、「国産」に注目が集まっています。
スーパーでは、外国産の値上がりで「国産」の方が安くなり…チェーン店も価格の安い「国産の米」などにチェンジ!円安に負けない!「国産の力」を調べてみました。

■超円安「国産食材」に“割安感”

日比麻音子キャスター:
円安の流れが止まりません。円相場を見ますと、2022年の1月4日は115円台だったわけですが、10か月ほどたった10月24日午後6時時点で見ると、149円30銭台と上がり続けています。

食材でも逆転現象が起きています。「国産」と「外国産」で価格が逆転です。東京都練馬区のスーパーアキダイによると、牛肉切り落とし(100g)国産は193円、一方でアメリカ産は214円と国産の方が牛肉が安いです。さらには、レモンも国産のものは、1個あたり48円ですが、チリ産は1個86円と倍とはいきませんが、かなり価格の差がありますよね。

こういった流れの中で、国産の食材に切り替える動きが進んでいます。例えば、牛丼大手チェーン店「吉野家」。これまで米に関しては、国産米とカリフォルニア産米をミックスして提供していたそうですが、2022年4月から国産米100%に切り替えました。吉野家HD広報IR担当の方によると、「背景の一つにカリフォルニア産米の価格が高騰している。そして、円安などで国産米とほぼ同じになった」ということで4月から切り替えています。

さらには、給食においても、熊本県の小・中学校は2学期から給食用のパンの小麦は国産100%に切り替えました。1学期までは、外国産が90%、地元熊本県産が10%という割合でしたが、2学期からは地元熊本県産は70%、30%は北海道産ものということです。こういった切り替えの背景には、国も支援していることが一つ挙げられると思います。「輸入小麦等食品原材料価格高騰緊急対策事業」という緊急対策を打ち出しています。

対象となっているのは、高騰している「輸入食材」を使用している製造業や飲食店などとなっていて、「国産食材」への切り替えをすると、上限は2億円の補助金が出るということです。対象となっているのはスーパーの惣菜、そして給食を提供するような事業にもということですから、このような補助金なども活用してなんとか乗り越えているといったところですね。

井上貴博キャスター:
スーパーによっては、国産の商品棚を広げる対応しているとこもあるようですけど、この円安は一時的なものでしょうし、適正価格に戻っていくとなると、その都度仕入れ先をまた変えなければいけないのもかなりの労力にはなります。

ホラン千秋キャスター:
でも、国産の農家や生産者の方々は、これを機に国産の良さを知ってもらう、これまで値段がネックになって、なかなか手が届かなかった手を伸ばしてもらえなかった方々が、良さを知ってもらって、円高に戻っていった後もファンを作る動きにもなるかもしれないので、必ずしも悪いとは言えないですよね。