■「やっぱり俺もわかってほしかったですよ。誰かに…」

ススキノに佇む教会。ゴスペルが響く中、翔之介さんの姿がありました。

ここは、「シロアム・キリスト教会」。

ススキノで悩める人たちの駆け込み寺として、11年前に開かれました。

牧師の鈴木啓之さん69歳です。

・牧師 鈴木啓之さん
「自分の家族がいる、妻がいる、子どもがいる、守らなければならない、そう思った瞬間に自分が握っていたのは聖書ではなく刃物だった…」


17歳で暴力団の世界に飛び込みました。

そして、暴行事件などを起こし実刑判決を受けること2回。

合わせて3年服役した後、ボロボロの状態で駆け込んだ教会で、信仰に目覚めました。

現在は、刑務所の教誨師や牧師として活動しています。

翔之介さんが、初めて教会に来た時のことを、こう振り返ります。

・牧師 鈴木啓之さん
「彼が礼拝の中で泣いてるわけですよ。何か人生の転機を迎えようとしてて、必死で何かを模索してるんだろうなと思えて」


・翔之介さん
「鈴木先生の話を聞いていると、今まで隠していたものだったり、自分の中で覆っていた鎧みたいなのとかがどんどん剥がされていくような。鈴木先生に相談すると『今のお前の状況、手に取るようにわかるよ』って。やっぱり俺もわかってほしかったんですよ。誰かに。わかってくれる人がそばにいる」


・牧師 鈴木啓之さん
「自分の弱さを見透かされている、私もそうだったんですよ。初めて教会飛び込んだ時に愛されてるはずなんてないと思っていた自分を愛して下さってる方がいるんだっていうのを知らされながら、あなたの醜いところも汚いところも弱いところも、それでも神様はあなたを愛しているんだって。心開きなさい。自分は弱いと認めなさい」