札幌市交通局運輸統括主任 中村保司さん
「この奥は、プラットホーム階とコンコース階をつなぐ避難経路の入り口」

この扉、災害などの緊急事態に、ホームから安全に脱出するための避難経路だったのです。

札幌市交通局運輸統括主任 中村保司さん
「プラットホーム上で大きな事件事故起きた場合、逃げる方向を2方向で確保しなければならないというルールがある」


実は、地下鉄のホームには、「異なる2つ以上の避難経路を設置する」という国の決まりがあるのです。

例えば、東区役所前駅の場合、改札の位置の都合上、福住方面には通常の階段がありますが、栄町方面にはありません。

そのため、栄町方面には避難用の階段が設置されているのです。

というのも、昔、国内では列車火災が度々発生し甚大な被害が出ました。

そこで1975年、地下鉄の火災対策の基準が定められました。

さらに2003年には192人が死亡し、151人が負傷した地下鉄放火事件が韓国で発生。

そのため、日本でも地下鉄の火災対策が強化されたといいます。

こうした経緯から、避難用階段は、東区役所前駅だけでなく…。

札幌市交通局運輸統括主任 中村保司さん
「南北線の幌平橋駅とか、東西線の宮の沢駅にも同じような避難経路が設置されている」


実は、札幌市営地下鉄46駅のうち17駅に、この様な避難経路が設置されていて、例えば、東西線・宮の沢駅のように、ホームから避難経路を通り抜けていくと、改札階に出られるパターンと、南北線、幌平橋駅のように、扉を開けて、薄暗い通路を通り抜けて進んでいくと、地上の中島公園に出られるパターンがあるといいます。

札幌市交通局運輸統括主任 中村保司さん
「札幌市交通局では、職員の教育・訓練を行い、安全を確保しているので、安全安心な地下鉄、札幌市営地下鉄をどうぞ利用ください」



■調査結果
札幌市営地下鉄東豊線、東区役所前駅にある謎の扉の向こうには、災害などの緊急事態の際の避難経路がありました。

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 ・隙間の理由
地下鉄の駅では、地下に空気が滞留しないように、24時間常に換気を行っていますが、ひとつの出口では空気の流れが良くないので、流れを良くするために、隙間を空けているということでした。

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