症状が長く続くことから百日ぜきと呼ばれる感染症が全国的に広がっていて、山口県内でも徐々に患者が増えています。

症状や対策について専門家に聞きました。



たはらクリニック 田原卓浩 院長
「百日ぜき菌という細菌感染のひとつですが、病名が示すように大変せきが長く続く、また特に小さいお子さんがかかると症状が非常に強くなります」

県小児科医会の会長を務める、たはらクリニックの田原卓浩院長は、コロナ禍でしっかりと対策をしたため、感染症に対する抗体が減り、体の防衛機能が落ちたことが流行の要因のひとつと指摘します。

全国で今月6日までの1週間の患者数は722人。

国がすべての患者数を確認するようになった2018年以降、最も多くなりました。



県の健康増進課によりますと、県内では今月13日までの1週間で、19人が感染しています。

去年の同じ時期に感染は確認されていません。

百日ぜきは、飛まつや接触が主な感染経路とされ、一般的に7日から10日ほどの潜伏期間を経て、次第にせきが増え、けいれん性の激しいせきも出始めます。



2か月から3か月で回復しますが、重症化すると小さい子どもなどは死に至ることもあるということです。



対策として有効なのはワクチンです。

生後しばらくしてワクチンを打ちますが、数年たつと抗体の量が減ることが問題とされています。

たはらクリニック 田原卓浩 院長
「ひとつのポイントは、小学校に入る前にも少し抗体価が下がってきて、リスクが高まりますので、そこで今は定期接種ではありませんけれども、ぜひ打っていただきたいということは日本小児科学会でも提案しているんです」

中学校に入る前には二種混合ワクチンの定期接種がありますが、百日ぜきは対象に含まれていません。

このため百日ぜきを含む三種混合ワクチンを勧めているそうです。



たはらクリニック 田原卓浩 院長
「まだこれから、流行がやはり大きな波になってくる可能性が大きいものですから、症状が出始めのところ、なるべく早くに診断をすることが重要です」



日々の生活で手洗いやうがい、場所によってはマスクを着用することも重要としました。