「防災」「避難訓練」というと難しく捉えがちですが、スマホアプリを使って「災害時の対応をゲーム感覚で身につけよう」という試みがあるのをご存知ですか?熊本地震の経験がいかされているというそのコンテンツを体験しました。
記者「ゲーム感覚で避難訓練!それがこのアプリです」

『ひなんチャレンジinケングン』スマートフォンの位置情報を元に、実際の街を歩くコンテンツです。作ったのは、熊本県の職員で災害対応経験のある黒瀬琢也(くろせ たくや)さん。
今回、一緒にプレイしてもらいます。

コンテンツを企画 黒瀬琢也さん「避難を疑似体験できる。避難訓練をもっと身近に考えてほしくて作りました」
ストーリーは、緊急地震速報から始まります。
アプリの疑似速報音「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。ゴゴゴゴ・・・」
記者「これ地震が起きてるってこと?」
熊本市の健軍商店街の近くにいたところ、震度7の揺れ記録する地震が発生!アプリに促され、最寄りの避難所である健軍文化ホールを目指します。

最短ルートで向かっていると・・・
アプリの音≪誰か!助けて!≫
記者「何?何?『助けて』って!?」
アプリの音≪助けを求めている人がいるようです≫
地図上に「HELP」の文字。その場所に行くと・・・
記者「何か でてきた!」
アプリの音≪誰か!助けてください。子どもを助けるために使えるものを持ってきて!はやく!≫

子どもがタンスの下敷きに!でも、私は何も持っていません。
コンテンツを企画 黒瀬琢也さん「付近にいる方々に物を借りて助けてあげましょう」
ハプニングが発生すると周囲に「お助けキャラ」が現われ、そのキャラクターにアイテムを借り、再び助けに戻ります。
記者が借りたのは角材。テコの原理で重いタンスを動かすことができました!子どもを助けられてひと安心。再び避難所を目指します。
しかし・・・
アプリの音≪いや!また地震なの?ゴゴゴゴゴ・・・伏せて!頭を守って!≫
記者「また地震が起きたんですね」
コンテンツを企画 黒瀬琢也さん「熊本地震もそうだったように余震は何度も繰り返す。そこは気をつけてほしいということでシナリオに入れました」
記者「だったらアーケードの中を通すのはベストな選択じゃなかったかも」
コンテンツを企画 黒瀬琢也さん「そうですね」
避難所への道は、本当に安全か?健軍商店街が経験した被害を例に、考えさせられました。
普段は歩いて3分ほどのところを30分かけて避難所に到着!
しかし、すでに人でいっぱいで、別の避難所へ向かうことに。

行き当たりばったりの避難の中で、記者はふと、家族のことが頭をよぎりました。
記者「私、子どもがいるんです。赤ちゃん抱えて避難と考えるとこの道のりは結構きついです・・・」
コンテンツを企画 黒瀬琢也さん「あ~、きついですよね。そういうときにどうするのか考えておくのもとても重要ですね」
それからも「けが人」や「火災」などに対応し、ようやく、丘の上の公民館に辿り着きました。

アプリの音≪おつかれさまでした。避難体験はいかがでしたか≫
所要時間は1時間!「予定通り」にはいかない、なかなかリアルな避難体験でした。
コンテンツを企画 黒瀬琢也さん「いろんなことに気づいていただいたので作ってよかったと改めて感じました。『防災って難しい』と思っている方々に『やれることは たくさんある』と考えるきっかけになればと思います」
今回のコンテンツは「地震/熊本市健軍編」に限定していましたが、黒瀬さんは今後「水害編」も作りたいと話しています。
この「ひなんチャレンジinケングン」は、スマートフォンアプリ「Locatone(ロケトーン)」のコンテンツのひとつです。
Locatoneは、Sound AR(現実世界に仮想世界の音が混ざり合う音響体験)を楽しむサービスです。ツアーを開始し、地図上にある特定のスポットを訪れると、位置情報に連動して自動的に音声や音楽が聞こえてきます。
アプリは無料でダウンロードすることができ、「ひなんチャレンジinケングン」も無料で体験できます。