熊本市消防局は、119番通報を受けて出動した救急隊の到着が、指令員の住所確認不足のため遅れたことを発表しました。
通報した90代の女性はその後病院に運ばれましたが、死亡しました。
熊本市消防局の担当者「傷病者の方のご冥福をお祈りするとともに、ご家族ご親族に心よりお詫び申し上げます」
なぜ遅れた?
熊本市消防局によりますと、4月12日午後10時37分、熊本市南区に住む90代女性から119番通報がありました。
通報は固定電話から行われ、電話番号に紐づいた住所が複数件、登録されていたため、本来はそこから住所を特定する必要がありました。しかし、指令員は最初に表示された住所を現場と思い込み、救急隊へ出場指令を出したということです。
通報した女性は一人暮らしで、通報から1分ほどで会話が出来なくなり、指令員は現場の詳細を聞くことができませんでした。
救急隊が最初に到着した場所と現場の住宅は約90m離れていて、本来かかる時間より11分ほど到着が遅れたとみられます。
女性は心肺停止の状態で発見され病院に運ばれましたが、その後、死亡しました。

熊本市消防局によると、指令システムは全国で同じような仕組みを使っていて、複数の住所が登録されていることは珍しくなく、その場合には点滅して警告する仕組みになっているということですが、4月に着任したという50代の男性指令員がそれを見逃していたと説明しています。
熊本市消防局は、今回の事案と女性が死亡した因果関係については「調査中」とする一方で、遺族へ説明し理解を得られたと説明しています。