お祝いやお悔みなど贈答用として人気の高いコチョウラン。花が咲き終わった後に再利用する取り組みが学校現場で始まっています。
大分市の大分園芸花市場では、週に1回生花の鉢もののセリが行われます。季節に合わせた様々な花が出荷される中、年間を通して高値で取り引きされるのがコチョウランです。高級感があり贈り物として選ばれる人気の花です。

大分市や別府市に店舗を構える「フローリストうめづ」ではサイズや花の数など幅広い用途に合わせた多くのコチョウランを取り扱っています。
(フローリストうめづ・梅津圭二社長)「おうちにどこにでもあるという価格帯ではないので、お祝い事やお悔み事両方の場面でみなさん贈られるとすごく喜ばれる鉢物ですよね」

コチョウランは満開を迎えたあともおよそ1か月は楽しむことができます。しかし、花が終わった後はその大きさから場所を取るため、処分されてしまうケースが多くいということです。
フローリストうめづではそうした廃棄を減らそうとある取り組みを進めています。
(梅津圭二社長)「節があるんですけど、ここから上をカットすることで養分がここで止まります。そうするとここから脇芽が伸びてきて、伸びた先に蕾がついて開花する。何度も楽しめる」

コチョウランは花が終わった後も手入れをすることで再び花を咲かせます。フローリストうめづではこれまで廃棄されていたコチョウランを再利用して手軽に花を楽しんでもらおうと一株ずつに分けて提供する活動をスタートさせました。
廃棄される花を減らすエコな取り組みは教育現場にも広がり始めています。大分市の大分西中学校ではコチョウランを再利用する活動に賛同し、およそ25株が20日、生徒たちに手渡されました。

(生徒)「クラスに素敵なお花を今回いただけてクラスがより過ごしやすい場所になると思いますし、みんなの授業態度が向上していけばいいなと思います」「素敵な花が咲いたらいいと思います。ありがとうございます。」

(梅津圭二社長)「くれぐれも過保護にしないようによろしくお願いします」
贈られたコチョウランは各クラスごとに1株置かれ、今後は生徒たちが試行錯誤しながら育てていくということです。
(梅津圭二社長)「すごく喜んでいただけたんでやっぱりうれしいですね。きれいな花を咲かせてもらえたらと思っています。こういう活動が県内に、そして全国に広まってくれると本当にうれしいです」

廃棄されるコチョウランを再利用する取り組み。そこには花とともに豊かな心を育ててほしいという願いが込められています。