「被害者1人」を考慮

『本件犯行は、暴力団犯罪の典型であり、被告を死刑にした一審判決も理解できないものではない。しかし、被害者が1人にとどまっていることを十分考慮する必要がある』

『市長候補者である被害者殺害により、選挙妨害を引き起こしたことは、民主主義に対する挑戦との評価は当然とはいえ、主張な動機は被害者への恨みであり、選挙妨害そのものを目的として殺害に及んだということではない』

『以上のような事情を総合考慮すると、死刑選択はちゅうちょせざるを得ず、被告を死刑に処した一審判決は重すぎるというべきである』

無期懲役に減刑した二審判決に対し、検察側・被告側の双方が上告。しかし最高裁は2012年1月16日付で二審の判決を支持し双方の上告を退ける決定をしました。最高裁判所の上告棄却決定について伊藤氏の遺族は「遺族としてはまったく予期していなかった決定であり、今は言葉もありません」とコメントしました。