喚気の有無で変わる危険性 シーシャでCO中毒疑いも

高柳キャスター:
人気の一方で、一酸化炭素中毒の疑いで、救急要請されるという事案も増えてきています。

桝本康平記者:
換気が不十分なことが理由で、気分が悪くなり搬送されたという事例が数多く報告されていました。

シーシャを扱う実際の店舗で、換気をした場合としなかった場合で、店舗の一酸化炭素濃度がどのように変わるのか、今回専門家とともに調査しました。

まず店の窓を開け、しっかりと管理している状態で10分間シーシャを吸ってみました。

煙の中には一酸化炭素が含まれているので、数値は多少上がりましたが、しっかりと管理しているため、部屋の中の一酸化炭素濃度はほとんど上がりませんでした。

次に、窓や換気扇を閉め切った状態で、同じく10分ほどシーシャを吸っていました。

すると濃度は徐々に上がっていき、最終的には47ppmまで上昇。モニターには危険を表す「Danger」の文字が表示され、警報のアラームも鳴りました。

高柳キャスター:
店内でたくさんシーシャを利用していると、このような事態はかなり増えてきていますか。

桝本康平記者:
厚生労働省などの調査で、全国のシーシャカフェにアンケートを実施しました。

回答のあった191店舗のうち、お客さんや店員の中で、「一酸化炭素中毒のような症状が出た」と答えたのは約6割に上りました。

もちろんシーシャ自体に問題があるわけではなく、換気している店舗も多くあります。しかし、これだけ若者の間で人気となっているので、換気をしないと一酸化炭素中毒になる危険性があることを知ってほしいと思います。

高柳キャスター:
不調を感じた場合について、産業医科大学・産業生態科学研究所の姜英講師によると、「最初はめまいや吐き気などの症状が出る。それを感じた場合は、空気が新鮮な場所に移動をし、それでも症状が改善しない場合は、医療機関に相談することが重要」といいます。

井上キャスター:
一酸化炭素中毒のような症状が出たのが約6割と聞くと、多いと思いますが、軽症の方も含めての数字ではあるので、お店側がいかに喚起していくのか、お店の立てつけを行政などがどこまで指導していくのかという話にもなっていくかもしれませんね。

田中ウルヴェ京さん:
シーシャに対する健康のリスクはもちろんあるかもしれませんが、どのようなお店でも換気が悪いことは、そもそもよくないので、そこは一番大事にしなければいけないですよね。

出水キャスター:
飲食店に入って、非常階段やトイレの位置がどこかを見るのと同じように、シーシャカフェに行くときに窓や換気扇があるかを見る癖をつけるのはいいかもしれませんね。

井上キャスター:
自分でチェックができますもんね。こういうリスクがあることをまず知っておくことが対策の一つなのかもしれません。

田中ウルヴェ京さん:
気をつけなければいけないのは、アルコールで既に酔っ払って行く場合でも、ちゃんと換気がされているかどうか、自分で調べないといけません。

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<プロフィール>
田中ウルヴェ 京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰