熊本市に本社のある産交バスは、障害のある乗客に運転手が暴言を吐いていたことを明らかにしました。

産交バスによりますと、暴言を吐いていたのは熊本県荒尾市内を循環するバスの60代の男性運転手です。

2025年2月、障害のある高齢女性がバスを降りる際に、運賃が無料になる「福祉特別乗車証」を提示したところ、男性運転手が「何か言うことはないのか」「タダだから、暇だから乗っている」と言い、「降りろ」と言いながら、女性を追い払うような仕草をしていたということです。

女性は誤って循環バスに乗ったとみられ、荒尾市内を1周した後に、乗車したバス停で降りようとしていました。

産交バスは、4月6日、社長が女性の家族の元を訪れ、謝罪しました。

男性運転手は、会社の聞き取りに暴言は認めたものの、反省の言葉はなく、謝罪にも同行しなかったということです。

女性が示した「福祉特別乗車証」は、荒尾市が身体障害者や介護者などの運賃を負担するものですが、男性運転手はその制度を理解していなかったとみられています。

産交バスは3月、男性運転手を懲戒処分したということですが、内容は明らかにしておらず、男性運転手は3月末に契約期間満了で退職しています。