東日本大震災の津波で、児童74人と教職員10人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校。その近くで、鎮魂と復興の願いを込めて植えられたサクラが今年も花を咲かせました。週末、植樹をした遺族とボランティアが、せん定作業を行うとともに久しぶりの交流を楽しみました。

石巻市の震災遺構・大川小がある釜谷地区では、オオヤマザクラが花を咲かせ始めていました。4月13日、ボランティアら10人ほどが枝のせん定作業に汗を流しました。

震災前、この地区で暮らしていた阿部良助さん(77)。大川小を襲った津波で2人の孫を亡くしました。

阿部良助さん:
「やっぱり、ちょっと暇があれば来たいんだな。車でぐるっと回れる」

阿部さんは、震災が起きた2011年の秋から長野県の団体の協力を得て、鎮魂と復興の願いを込めてサクラの植樹を続けてきました。阿部さんは、地域住民らとともに、東日本大震災で犠牲になった地区住民と同じ数の269本を目標に植樹を始め、これまでにおよそ300本を植えました。

阿部良助さん(2014年当時):
「10年我慢すれば、もしかしてもう少しきれいに見事な花をつけるかも。だからあと15年くらいは生きたいなと」

毎日のようにサクラの手入れに通ってきた阿部さん。2024年、肺を患ってからこれまでのように作業することが難しくなり、活動の継続に不安を抱えています。
