5年に1度の中国共産党大会が22日、閉幕しました。この中で習近平国家主席の権威をさらに高める「二つの確立」を守るよう、党員に求めました。3期目を確実にした習氏への権力集中がさらに進むものとみられます。

習近平国家主席
「大会は円満に成功を収めた。思想を統一し、自信を固め、方向を明確にし、闘志を奮い立たせるという目的を達成した」

焦点となっていた習氏の権威をさらに高めるスローガン「二つの確立」については、「決定的な意義をしっかりと把握し、習近平同志を核心とする党中央の権威を擁護しなくてはならない」として、「二つの確立」を党員に守るよう求めました。これにより習氏への権力集中がさらに進むことが予想されます。

また、台湾については「一国二制度の方針を揺るぐことなく貫徹する」としたうえで「台湾独立に断固として反対する」という文言が新たに盛り込まれ、台湾を強くけん制する内容となっています。

こうした中、閉幕式の最中に胡錦濤前国家主席が突然、退席するという出来事がありました。

関係者に連れられて退席する際、習氏に話しかけたほか、李克強首相の肩を軽くたたいている様子も確認できました。

理由はわかっていませんが、きわめて異例の出来事でさまざまな憶測を呼んでいます。

党大会終了後に中央委員の名簿が発表され、習近平氏が「68歳で引退する」という慣例を破って異例の3期目入りを確実にしました。

その一方で現在の最高指導部、いわゆる「チャイナセブン」のメンバーのうち、72歳の栗戦書全人代委員長と68歳の韓正副総理は慣例通り外れましたが、68歳に満たない李克強首相(67)と汪洋全国政治協商会議主席(67)も外れることが確定しました。

新しい最高指導部の顔触れは、23日昼過ぎに明らかになる見通しです。