中国国内には現在、およそ700万人のチベット族の人たちが暮らしています。その精神的リーダーがチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世で、今年90歳を迎えます。チベット仏教では死後に生まれ変わる「転生」の教えに基づき、ダライ・ラマの後継者を探す伝統がありますが、今、中国政府はその後継者選びをめぐり神経をとがらせています。その背景を取材しました。

ダライ・ラマの生家につながる道に近づくことができず

2025年2月、中国青海省。私たちが向かったのは、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の生まれた場所です。

しかし…

「こちらまっすぐ行くとダライ・ラマの生家につながる道なんですが、このように検問所が設置されています。身分証のチェックでしょうか」

記者
「中には入れないのですか?」
警察
「ダメだ」

この先にある生家に近づくことはできませんでした。

近所の人
共産党が支配しているからね」

Q.ダライ・ラマの家だから?

近所の人
「そうそう、そこですよ。2、3年前から入れなくなった」